【感想】
介護に関するモヤモヤを明確に言語化してくれた小説だった。
私は、自然死を望む。
でも、7年前に死んだ母は最期まで治療を望んだ。私は、抗がん剤に負けて死んだんじゃないかと思っている。あれからずっと死に際について考えている。
【復習】
p.182
延命至上主義。
それがいまの日本の介護現場を逼迫させ、そして将来的に崩壊させる原因になることをなぜ真剣に、切実に、問題視しないのだろう。いや、している人もいるのだろうが、その声は聴こうとする者にしか届いていない。
【気に入ったところ】
p.269
不思議なものですっかり記憶から消えていると思っていたフレーズが、森に滲みた地下水が湧き出るかのように自然と出てくる。記憶から消えたと思っていた台詞は、失われたのではなく、節子の内に溶け込んでいたのかもしれない。