前回、愁と地方で共に地域密着型のプロジェクトに参加することを決めた静竜。

この選択が後に大きな罪をおこすきっかけになることをまだ静竜はしらなかった。



借金-親からの夜逃げ-地方への引っ越し

を決めた静竜

愁と共に地域密着型の地域活性化を図るプロジェクトを開始する静竜。


愁の会社から出る報酬は

1ヶ月で約9万円。

労働時間は1か月300時間

休みはなし。

これだけ見るととんでもなくブラック企業である。

もちろん愁が所属している

会社は土日休日であり

土日の仕事に関してはいわゆるサービス残業に近い形での仕事となる。

土日は隣県などにお邪魔してお手伝いをする。

土日は15時間ほど働いていた。

平日は昼から夜9時ごろまで愁の手伝いをする。


しかし、愁の会社から出る報酬、9万円では

いくら寝る場所があるとはいえ、生活ができない。

そこで静竜は夜勤で働くことを決める。

生活ルーティーンは

平日14時から21時まで愁の仕事

夜22時から朝8時まで夜勤の仕事

8時から13時まで睡眠という1日の労働時間

16〜17時間働いていた。

仮に時給1000円だったとしても

50万円近くもらってもおかしくないほどの労働時間だったが

実際に手にしていた金額は30万円に満たない金額だった。

時給にして500円から600円

こんな生活をしていて

心に異常がくるかも時間の問題でした。


しかも、地域活性化の仕事は水産、農業の手伝いなど肉体労働が多かった為

肉体的疲労も多かった。


何より大きな亀裂を生んだのが静竜と愁のすれ違い生活であった。

これまでは愁と夜に会話をするなど

お互いに考えを理解していた2人だが

夜勤にも努めていた静竜は愁との時間が

仕事の中だけになり

会話も少なくなっていった。


その頃から静竜は

消費者金融にしていた借金を

弁護士事務所に、相談し一定度の金額を返済し始めていた。


そんな時、大きな事件が起きる。


これこそこの記事の題名にもある


裏切りの鶏


である。


哲学的な話で

卵が先か鶏が先かという

議題がある。


意味を言うと

今現在、鶏が生存しているが

起源としては

卵から鶏が孵るがその卵を産む鶏がいないと卵も発生しない。


結局どちらが最初かがわからないといった

問題定義である。


そして

裏切りの鶏。



後に静竜の心の中で

これが大きな分岐となる出来事です。



移住をして半年ほど経った時

問題が起きました。


しかも全くと言っていいほど無実の罪を着せられて。


ことの顛末はこうでした。


地域密着の仕事として

障がい者施設の手伝いもしていた2人。


2人はほとんど無給でその仕事をしていました。

いわゆる働きがいだけだったのでしょうか。


そんな中、時を同じくして

介護会社から1人の男が派遣されてきました。


その男は月に一度ほどしか来ませんでしたが

静竜が1か月にもらう報酬を月一の来訪でもらっていました。


静竜はその事実を知るも、

そこには見て見ぬふりをして働いていました。

向こうはあくまで正規の資格をもち

こちらはあくまで手伝いをしているだけだからと。


しかし静竜は毎週何度も障がい者施設に足を運んでいるため

施設利用者とも施設職員とも中が良くなっていきます。


それを見てやっかみを覚えたのが

月に1度しか来ない介護会社の男でした。


そして、その男は行動します。

月に1度の訪問で約10万を手にしていた男は

施設長に毎週訪問させてもらいますよと提案した。

しかし、施設長はその提案に返答に困ります。

その対応に困ります。


理由としては

報酬の支払いが困難だからです。


実際、施設的には月に1度の支払いでも苦しかったのですが

毎週となると経営に影響が出るほどになる為

現実的に毎週訪問してもらうことは不可能でした。


施設長は断りの理由として

静竜がほぼ毎日のように顔を出してくれているので今まで通りで大丈夫ですよ

介護会社男に言いました。


それが自身のプライドを傷つけられたと感じた

男は

元凶である静竜を

やめさせることを決めました。

しかも綿密に計画を練って。



事件は急に起きます。


突然、施設長から来なくていいと静竜は言われます。

理由も分からず

はいとしか言えない静竜。


そして、愁の会社からも介護施設だけでなく

全ての仕事に参加をするなと伝えられます。


何より静竜の心にダメージを与えたのが

愁からの一言。


一緒に住んでいることがバレたらまずいため

ほとぼりが冷めるまで

アパートから出て行ってくれ

と。


静竜は頭が真っ暗になった。

なぜこんなことが、

それだけを、ずっと考えていたそう。


そして、見知らぬ土地でホームレス生活が始まるのでした。


ホームレス生活というのは、少し言い過ぎな

ところがありますが、

漁業組合の会長様が倉庫を貸すから

そこで寝泊まりをしたらどうだと

倉庫を貸してくれました。


そこにはソファーと毛布があっただけ


季節は4月末


世間ではゴールデンウィークの始まりであり

静竜はさしずめヘルウィークの始まりと言ったところでしょうか。


結果から言うと

静竜は約2か月

ゴキブリや多くの虫と共存することになります。


裏切りの鶏の謎解き編の始まりです。


こんな事態に発展したのはもちろん

介護会社男の、せいです。


静竜が原因で毎週訪問を断られた介護男は

静竜をやめさせたら

自分が訪問回数を増やせると考えて


あの手この手を使って静竜を嵌めていきます。

嵌めるというよりも貶めると言ったほうがいいかもしれません。


あの手この手とは

まず、介護施設利用者の家族に静竜の悪事を相談します。

もちろん事実無根のことです。

これは想像でしかありませんが

暴力を振るっているとかお金をだまし取ろうとしているといったところでしょうか。


介護施設利用者の家族は事実確認のために施設に

確認を取り

施設は職員でもなければ

愁のように正式団体の職員でもない

静竜に噂が流れるだけでも大きな迷惑でした。


仮に介護男が流した噂が本当なら

ワイドショーで

地方介護施設。

ボランティア職員による暴力、謀略を見過ごす。


なんて世間の目を引くこと間違いなしなんですから。


だからこそ

出入り禁止を言い渡したわけですよ。


しかし、念には念をいれた介護男の嫌がらせはそこでは終わってなかったようです。


愁の会社にも、手を回し

あなたの会社を手伝っている

静竜という男は借金もあり、介護施設でも暴力を振るっているという噂もある。

そんな男を正規社員ではないとは言え雇っていていいのかと



そんなことがあったからこそ

愁は静竜にアパートから出て行ってくれとしか

言えなかったのでしょうか。


こんな前途多難の事件が起きましたが

結末はあっけないものでした。



介護男が犯罪を犯し、強制的に場外へフェードアウトしていったのです。


うーん

なんとも言えない自爆ですね


いや、静竜という被害者が出ていたわけなので

無理心中ですかね。


そういうわけで

漁業倉庫での生活は2か月で終わりました。


もちろん全て事実無根の噂話でしたので

全ての仕事が元に戻りました。

まぁ誰にも心の底には疑念は残っていましたが。

万事解決というわけではありませんがが

一旦解決を見たといったところでしょうか。


愁のアパートにも戻ることになりましたが、

この介護男が引き起こした無理心中は

確実に静竜と愁の関係を悪化させたものでした。

溝を深くしたというか溝の幅が大きく広がったとでも

いうのでしょうか。


静竜の言い分としてはこうです。



愁は俺のことを信じてくれない。

最終的には自己保身のために俺は裏切られるということが

今回わかった。



うーん言ってることはなんとなくわかる。


これから2人はどうなっていくんでしょうね。


次回に続く