そうか、君はもういないのか
横殴りの雨
予報通り、どしゃ降り
傘も雨具があっても、家に着く頃には靴の中もグシャグシャの水浸し
玄関を開ける
「ねぇタオルとって」
「はーい、雨凄いね、お帰り」
もう、妻とこんなやり取りはない。
濡れた靴下を脱ぎタオルを自分で取りに部屋へ
足跡で濡れた床を拭く
そして濡れた靴に新聞紙を積める
シャワーを浴び夕飯の準備
(子の帰りを待つ)
そうか、もう君はいないのか…
昔、観たテレビドラマ
作家・城山三郎氏(2007年3月没)の死後に見つかった、妻との出会いから別れまでを綴った回想録
「そうか、もう君はいないのか」が原作。
夫婦の絆、かけがえのなさを描くドラマ。
天真爛漫な妻とそれを慈しむ夫、純愛に満ちた夫婦(田村正和さんと富司純子さん)
ラストシーン
部屋で座りながら、妻の名を呼ぶ…
ふと我に返り
「そうか、もう君はいないのか…」
切ない