典型的な お嬢様学校。

 

毎日が 礼拝で始まり 礼拝で終わる。

 

皆さんの格が違い過ぎる!

 

今までは お山の大将だった。

 

 

井の中の蛙大海を知らず

 

休み時間の話が 訳解らない。

 

日本舞踊の話 バレーの話(バレリーナの方です)海外旅行の話

 

付いて行けない…

 

今度のお休みは どちらに行かれるの?なんて聞かれて どこどこの遊園地ですなんて 言えやしない。

笑って誤魔化す。

 

そしてやっと友達が 何とか出来た。

もうすぐお誕生日会があるから来て欲しいと言われ 喜んでお誘いに乗った。

 

家について行って びっくり 門を入ったら家まで遠い

途中で 「お嬢様 おかえりなさい」と彼方此方から声がする。

 

家につくと でっかい玄関に 髪を長く伸ばした綺麗な女の人が すっと立っていた。

すごく若くて綺麗…

 

「ただいま ママ」

 

そんなママなんて 聞いたことなかったよ。

で 長ーい廊下を過ぎ 沢山の部屋の前を通って 友達の部屋へ着いた。

 

部屋の中に 段差があり 天蓋のあるベッド 広い!

アタシの家は アタシがお嬢様学校に受かったので 通学の為に 社宅に引っ越していた。

3K 風呂無し

 

友達の家は 35部屋あり 部屋を一つ使っていいと教えられたけど 友達の部屋からその部屋まででも 迷ってしまう。

 

誕生会には 暖炉のある部屋で お兄さんがギターを奏で カクテルグラスに ミニチュアのキューリ 同じくミニチュアの人参 多分今考えると ベビーコーン…など見た事も無い小さな野菜が並んでた。

 

野菜スティックだったんだろう。

 

でもその時は これは何?

 

世界が違う…

 

後の料理なんて覚えちゃいない。

 

どうやって帰ったのかも覚えていない。

 

そして友達が 「今度 お家へ遊びに行っていい?」ときたもんだ。

 

35部屋の方に 風呂無しの 3Kはご招待無理だ!

 

ずっと誤魔化し続けてきたね。

 

そしてそんな学校だから 行事になると 入口に 寄付表が置いてあり そこに記入してから 行事に参加となる。

 

朝の礼拝が終わり 教室につくと 担任が来て まず一言「Aさん 昨日はありがとう」

 

これで一日が始まる。毎日毎日 誰かが付け届けを持っていている。

 

だから贔屓が酷いなんてもんじゃない。

3年で 公立の高校に行きたいと親に言ったけど 聞いて貰えるはずもなく、6年お嬢様学校に通い 仲間にも入れて貰えず 先生からも目を付けられ 散々な6年間だった。

 

同じことをやっても何も言われない子と 責め立てられる子。

 

一度先生が 急に試験をすると言って 教室を出て行った。

クラスの皆が 急に試験なんて おかしい!

皆で カンニングしよう!

試験が始まり 要領の悪いヤツが 見つかった。

先生は怒り 他にやっていた者は 手を挙げろと言った。

すかさず アタシは 手を挙げた。

他の人は誰も手を挙げなかった。

 

カンニングを見つかったヤツとアタシは 別室に連れて行かれ叱られた。

 

教室に戻って来た時は 皆が集まってきて いろいろ聞いてきた。

自分たちの事を喋ったんじゃないかと 心配になったんだね。

別に何も話さなかったよ…と言うと 皆安心して去って行った。

 

カンニングを見つかったヤツとアタシは 停学になった。

 

散々な思い出。

自分もその気になってやってしまったことだから仕方ない。

 

 

こんなアタシだけど 高校2年の時 生徒会長がよく面倒を見てくれていた。

頭のいい先輩で 国立に受かって大学生になると言っていた。 

その先輩が卒業する時に こう言った。

 

「6年も 女ばかりの中にいたから 考え方がおかしくなってるから。 大学は共学にしなさいよ。頑張ってね。」

 

自分の卒業式では泣かなかったのに 先輩が卒業する時は 思いっきりないたな。

 

女子校だったから 卒業する先輩に 花を贈る習慣があって アタシもその先輩に花を贈った。

 

高校3年生になって 大学受験を考えた。

 

先生に言ったけど あんたなんか受かるわけないと 散々馬鹿にされたね。

 

そりゃそうだわ。全然勉強してなかったし テストも真面目に答えてなかったから 後ろから数えた方が早かった。

 

だから内申書を余分にとって 中身を見たら そりゃ酷い事ばかり書いてあったわ。

 

これは 学力で受かるしかないと ちょいと勉強してやった。

 

クラスの子が一人 一緒に大学受けない?と言ってきたので 一緒に受験することにした。

 

国語と英語は 必須だったけど3教科目は選べたので 数1を選び受験。

 

英語はあまりできないので 国語は山はりまくって 三島由紀夫を読み漁った。

 

何故か試験の感だけは 山を当てるのが上手い。

 

見事 三島由紀夫の 金閣寺が出た。

 

で貰った!と思い何とか出来たので 一緒に行ったクラスの子に聞いたら 暗い顔してたから あまり話をせずに帰った。

 

後日 合格通知が来てからが大変だった。

 

先生の唖然とした顔 クラスの子が落ちて 何であんたが受かるのよ って顔してた。

 

大学に入ってから 一年後 偶然一緒に受験した子に会って声かけたけど 無視された。 

 

多分 よく考えたら 一緒に大学受けに行って(一人で受験しに行くのが大変だから)自分だけ受かると思える子を クラスの中で探したんだ。

大学までは遠かったし 早くに汽車に乗って バスに乗り換えて 2時間位かけて行かないといけない。

 

そんなに親しくもなかったのに 一緒の大学受けようなんて誘ってきたんだもんね。

 

ま お陰で無事 先輩が言っていた 男女共学の4年制大学に行けた。

 

男女共学と言っても クラス100人位で 女子2人…(笑)

 

六年間の中で一番嬉しかった事は 卒業式に 後輩から花を貰えたこと。

小さな可愛い花でしたけど はにかみながら渡してくれた。

 

少し足が悪い子で 気にかけて 通学時には声をかけてたっけ。

 

今だったらLINE交換とかしてたんだろうけどね。

 

携帯もない時代。

 

暗黒の6年間が無事終了!