鈍色の臨終 | gackt-golbom-loveさんのブログ

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好きなものはずっと好きでいたい
金爆も梵人さんも
だって誰の生命も期間限定
出逢ってくれてありがとう
明日というのは
今日を生きたくて、でも叶わなかった者たちの希望
総てに感謝して生きたいな

そうだった僕らの出会いはまるでドラマにあるようなそんなキラキラしたものじゃなかった

何するんですか!と頬二、三発平手打ちされても文句が言えないものだった

その後しばらくして僕から食事に誘った

初めは彼女の友達や、チャオビ、サンジも一緒に食事や、カラオケに行って、それから僕がドライブに誘ってだんだんと二人で会うようになった

3歳年上の僕らだが、ひかるの方がいつも僕らをリードしてた

いつの間にか僕らはひかるをひーちゃんママと呼んでた

ひーちゃんは嫌!ひとみばあちゃんみたいと最初は嫌がってたが自分の友達までひーちゃんママと呼び始めたから   もう、いい諦めたと受け入れた



春の桜    夏の花火     秋のキャンプ    冬のスノボ


どのページをめくってもひかるの笑顔はキラキラ✨している

幸せいっぱい…そんなまぶしい笑顔のひかるを僕はずっと離さないようにしたかった………

あの頃のまま時間が止まってしまえとすら思った


「桜井さん、朝の回診ですよ」

看護師さんの呼び掛けに気持ちが我にかえる

なんとかまだ体は動かせる(寝返りまでは無理だが)足の筋力はすっかり落ちて自力では立てない

担当医が来ていつものように僕の名を呼び

調子はどうですか?と訊く

「変わり無いです。吐き気や頭痛も収まってます。」

担当医が指を立て僕の顔の前で上下左右にゆっくり動かす

僕はそれを目で追う

特段変化は無いですね

血圧も脈も心音も呼吸音も普段通りですし、食欲はどうですか?

「やっぱりにんじんは苦手です」と言うと看護師さんが好き嫌いしないの!と笑いながら言う

担当医も小声で僕も子供の頃から嫌いですと耳打ちして、じゃあ食事にも不便は無いようですね

体調になにかありましたらすぐにナースコールで知らせてくださいと軽く会釈して病室を後にした


窓の方に体を動かし空を眺める

今日はちょっと風が強いのかな?

雲の流れが早い

子供の頃は兄貴と凧上げしたな

少し強めの風が吹くほうが凧はよく上がった

兄貴が糸を持って走り僕は凧を上に掲げてその後を追った

手を離せ!兄貴の声で手を離すと上昇気流に乗って空に舞い上がる凧に嬉しくて声をあげた

兄貴には絶対敵わなかった

凧上げも、身長も、勉強も…

唯一勝ったのは、バレンタインのチョコの数だけ

5個以上の差にマジで兄貴が悔しがってたっけ

懐かしいな