幼稚園のときにモデルにスカウトされたことから

人生が一変した夕子。


小学校から中学校、高校と進学するのに併せ、

テレビCMに出演したりと

タレント活動を本格化させていきますが……


夕子が早くして芸能界入りしたからか、

大人の世界を目の当たりにして

同世代の子供たちと考え方が違ったり、

身の回りともズレが出てきてしまったりして

親子関係も何かとすれ違いやすい。


質問に対して自分がどう思うかでなくて、

こう答えると人はこう思うと

リアクションを意識してコメントまでコントロールしてしまうのは、

ちょっとやるせなさをカンジましたね。


私が印象に残った登場人物は、

夕子が関わっていたギャルズクラブの一員、マリさん。

今って、子供たちにこういうことをホントに素朴に言ってくれる

大人っているのかなあと思いましたね。


あと、夕子の同級生の多摩くん。

彼女に与えている作用を考えるとポイントが高いと思いましたね。

本書解説の映画監督の犬童一心さんも

多摩くんのシーンが好きで、

撮ってみたいと思ったとのこと。


綿矢さんのすごさだと思うのですが、

表現のあり方がつまびらかで、

じっくりと実況されているカンジが読む側に的確に入ってきます。


人ひとりを読む--こういう物語をじっくりと味わうのは

作家さんの作り出した世界をありのままに享受する

私たちの役割ですねニコニコ


「夢を与える」。

ああ、そういえば

それってどういうことなんですかねえ〜!?