

とゆうことで、今日はちょっとやるせない、「もーっ
」とゆう感じのお話です。超絶長いです。興味のある方だけ読んでね。

まずは簡単に生体防御について。
細かーい話は割愛してザックリと。
ヒトには、病原体の侵入を防いだり、侵入した病原体を排除したりする生体防御というシステムがあります。
第一段階として、そもそも体内に病原体を侵入させないための物理的・化学的な生体防御です。皮膚のpHや気管の粘膜、腸内に常在する菌などがそれに当たります。咳とか下痢とか。ね。
そして、そこを突破して体内に侵入してしまったときに排除するシステムとして自然免疫と獲得免疫があります。
今日は「HIVと獲得免疫」について。
獲得免疫は自然免疫によって誘導され、体液性免疫と細胞性免疫に大別されます。
体液性免疫は、病原体に対してB細胞が抗体を作り、抗原抗体複合体にすることでマクロファージや好中球の食作用を促します。
しかし、病原体のままなら抗体で対応できたとしても、病原体が感染してしまった細胞には対応できません。身ひとつでいてくれたら倒せるのに、武装されたら倒せない
みたいな感じかな?

なので、そんなときは細胞性免疫出動!です。細胞を攻撃するキラーT細胞ってやつが病原体が感染した細胞を攻撃してくれます。
ちょっと前置きが長くなりましたが、実際に抗体を作ったりするB細胞や、病原体感染細胞を攻撃してくれるキラーT細胞、いわば実際に手を下す細胞は、ヘルパーT細胞が放出するサイトカインによって活性化されます。
ヘルパーT細胞は免疫機能においてすごく大事な存在。いや、全部大事だけど、司令塔のような存在で、これがうまく働いてくれないと抗原侵入の情報もキャッチできないし、キャッチしてもその先に進めないのです。実際に手を下す細胞をやる気にさせないと戦ってくれる人がいないのです。(人じゃないけど。笑)
細胞表面にはMHC(主要組織適合遺伝子複合体)という分子があり、細胞内で分解したタンパクの断片と結合し、細胞表面に提示します。
例えるなら、名札のケース。普通の細胞は普段ここに自己の断片を提示していて、私は「私」です。と、名札をつけているようなもの。で、抗原を見つけてくれた細胞は、体内でそれを分解し、その断片の一部をここに結合させます。要は、名札に抗原の名前を入れて「こんな抗原きました!」と、周りに知らせてくれる感じ。
その抗原情報を見たヘルパーT細胞が抗原情報をゲットして、実働部隊に「働けー!」って指令(サイトカイン)を出すのです。
ヘルパーT細胞の表面にはCD4という糖タンパクがあって、抗原提示細胞のMHCクラスⅡとヘルパーT細胞のCD4の高い親和性によってこの一連の流れが成り立ちます。
またまた長くなりましたが!!
HIVはこのCD4に結合し、ヘルパーT細胞の中で自身を増やしつつヘルパーT細胞を破壊していきます。(ウイルスの増殖方法については今回は触れません。簡単に言うと、他の細胞の細胞増殖に便乗して増やしてもらう。逆転写酵素とかは、またいつか。笑)
HIVの増殖に伴い、どんどん破壊されていくヘルパーT細胞…。ヘルパーT細胞がないとその先の免疫機構が進まないので、どんどん免疫力が低下し、健康な人なら感染しないような感染症(日和見感染症)やがんを発症しやすくなります。このように、免疫の防御能力が失われる疾患を免疫不全といいます。
なにがやるせないかって、免疫機構においてCD4がないと免疫システムが進まなくて、生体防御において必要不可欠なのに、自分の身体を守るためのCD4がHIVにとっては絶好の餌食。自分の身体を守るためのものが自分の身体を壊していくってゆうね…。なんだかやるせなくないですか?
HIVに感染しないようにすれば問題ない話なんですけどね。正しい知識が大事なのかも知れません。HIV感染予防については、またどこかの機会に。