先週末、チャド人の結婚式にいってきました。

よくしていただいている家のママに誘われて、
近所のチャド人宅の結婚式に一緒にいきました。

金曜が前夜祭(?)、土曜が本祭(?)的な感じで、
二日間、宴が繰り広げられたようです。
(私は土曜のみ参加)



土曜の昼にいつも顔を出すチャド人宅に行くと、
親戚中の女性が集まっていて、そこかしこで
大量の野菜や肉がきられていて、
鍋で煮こまれていて、
料理の戦場と化していました。


このお家がすべてのお客さんや新郎新婦家族が
食べる料理を作る担当なのだそう。


給食を作るみたいな今まで見たことのないくらい
大きいお鍋でママが汗だくなりながら
料理中。

私ももはや「身内枠×女=料理の働き手」ということで、
ニンニクの皮をひたすらむきつづけました。

よりによってこの間、断水となり、
しょうがないので近くの川まで水くみにいきました。



ひと通り作り終えると、男性だけ集まる別の家庭に料理が運ばれ、
女性は女性たちだけで、適当に大皿を囲んで
食べます。

一斉にいただきます、で食べるわけじゃなく、
思い思いに、食べ始めるみたい。



私がたまたま連れてきた(じゃなくて勝手についてきた?)
近所のマリ人の子供も、
ちゃっかりお相伴に預かります。

こういう、来るもの拒まず、というか、
飛び入りでも近所のひととかが
ご飯を食べられる雰囲気が、
家と家の敷居が低くてとてもいいなあと思います。



いよいよ宴の時間(だいたいだけど)が近づくと、
ママの家は料理の戦場から、おめかしの戦場へと早変わり。
そんなに広いお家ではないけれど、
宴用の衣服に着替えたり、お化粧したり、
お風呂に変わりばんこに入ったり(お風呂というか、こっちはたらいにためた
水で水浴びです。)


私もこの家の次女にチャド人風のお化粧をしてもらって
衣服を借りました。

(通りかかった近所の同僚に「今日は私チャド人なの」と
 自慢しましたが、舞台メイク以上のとんでもない厚化粧であることに後から気づき、 
 絶対ビビられたなと後から後悔・・・チャド人がやっていると素敵に見えるけれど
 日本人の顔には合わない・・・)




で、宴がはじまりです。

ガボンの結婚式のように、儀式的なものがあるのかしらと
思ったのですが、

今回参加したお客さんを招いての宴は、文字通り宴で、
両家で何か協定をとりかわすとか、そういうのはありませんでした。










新郎の家の前にクラムトゥ中のチャド人が集まりました。
推定150人以上はいました。

また首都や、隣のフランスビル、そしてなんとおとなりのコンゴ共和国の
首都ブラザビルからも親戚が来ていました!

(丸一日の車で着くみたいですが、はるばる国境を超えて
 クラムトゥまで来るなんて・・・
 この結婚式の力の入れようとか、結婚式にかける準備も
 大変なものだろう・・・)



新郎の家の前の広場に御座(ステージ)がしかれ、
椅子が設置され、近所中に響き渡る大音量のチャドミュージックが
延々と流れ、踊ります。

特にシナリオとかはないけれど、
踊りたいひとが御座の上でとにかく踊る。
人が密集して満員電車なみの混雑ぶりです。



チャドミュージックはゆったりしていて、
踊りも腰をゆっくり動かす感じで激しい運動じゃないので、
体力不足気味な私も休み休みでとりあえず最後までもちました。

結局、延々、6時間踊っていました。。。



分かりにくいですが新郎新婦の入場。



踊りの中で面白いなと思ったのは、
踊りながらお互い、1000F(200円)とか2000F(400円)とか、
お札をあげ合ったり、新郎新婦にお札をあげていること。
踊りながらお札を相手の頭にひらっと乗せたり、
相手の衣服に挟んだりしてました。


最初は新郎新婦が豊かになるようなお祈りも込めているのかなと
思いましたが、
結婚を祝うために、カドー(贈り物)をあげあっているのだそう。
普段は大家族を抱えて倹約生活ですが
ハレの日はおしみなくカドーを贈り合うのだなあと思いました。



今回の新郎はクラムトゥの中でもかなりお金持ちのほう。
(街の電化製品のお店経営。
 ドバイまで買い付けに行っているのだとか・・・
 自宅でも休憩させてもらったのですが、クーラーがついていて仰天・・・)


なので、こんなに多くのチャド人を呼べて、
遠路からもお客さんを呼んでいたそうです。
(これにかかる経費は新郎の家が負担します)



今週は、街を歩いていて、今まで話したことがなかったチャド人から
「マリアージ(結婚式)で君踊ってたでしょ」と何度も声をかけられました。
さすが任地中のチャド人が集まっていただけあって
すぐに認知されます:


家庭菜園をしていてたまに様子を見に行くチャド人お姉さんは
「こうやって結婚式とかで親戚で集まって、楽しむのよ。
 普段街にちらばっているけれど、宴で、皆と顔を合わせるの。
 みんな家族だからね」

と言っていました。



「あんたももう家族だからね」と言われて嬉しいやら、
ガボン人のそれとはまた違うけれど、
チャド人の家族のつながりもまた温かくていいなあと思ったのでした。