任地でお世話になっていたチャド人家族が
隣町に引っ越してしまいました。

いつ行っても歓迎してくれるので家族みたいで、
彼らが旅だった後、空っぽになった家を通り過ぎると
本当にさみしい。


任地には出稼ぎにきているアフリカ諸国の外国人が多く在住しています。
このチャド人一家は、任地のクラムトゥに住んで15年。


パパは車の運転手さん。
(チャド人、チャド人と言っているがこのパパはマリ人)

任地には仕事が少ないので、
より栄えている隣の州に引っ越しました。

この一家、子供が多くて(今一緒に暮らしているのは6人の子どもと)
賑やかで、平和で、穏やかに暮らしているように思える。


パパの生い立ちを聞きました。
マリで生まれ育ち、
リビアの学校にいき(大型機械の運転技術を学んだらしい)
チュニジアでトラクター等運転で大農場で働き、
ガボンにきてタクシーバス運転手となったらしいです。

その都度、コミュニテイのつながりから仕事を得て、
住みやすい地を求めて移り住んで、家族を養って、
父ちゃんは強いなと思います。

ママは家事や子育てもするし、
ガトー(ドーナツみたいな)、レーカイエ(ヨーグルト味のお菓子)、
を作ったりして小銭も稼いでいます。

子どもたちはガボンで生まれたので、
自分の親が生まれた国、自分の国はテレビでしか見たことはありません。

ガボンと西アフリカでは宗教も文化も違うし、
外国人がガボンで生活する上で有利なことばかりではなく、
(国籍を取得するための費用や、
 子供への教育手当の支給額の違い、
 医療費補助の違いなど)
生活の中で苦労もあるのだろうと思う。

いつかお金がたまったら一家でマリに住みたい、という。
アッラーの神の思し召しがあれば・・・


日本人が、帰りたくても日本に帰れない、という状況はあまりありません。
が、金銭的な問題、治安の問題から、
国に帰らず、家族ごと、または単身で出稼ぎにきていえる外国人が
ガボンに多く暮らしています。

ガボンは政情が安定していてアフリカの中では治安がよい国です。
この国で家族で穏やかに暮らしていて、
特別に悲壮感があるわけではなく、
生活も楽しんでいるように見える。


自分はこの状況すべてを理解していないし、
言葉に表すのが難しいけれど、
「みんな、たくましくて強いな」と思います。



チャド人家族が引っ越す隣町は
任地から車で3時間ほど。

また会いにいきたいです!!