ガボンにはフランス開発庁とガボン政府出資による農業振興のための協会があります。
Institut Gabonais d’Appui au Développement (IGAD=イガッド)
といいます。

フランス語ですが参考HPは コチラ



ガボン国内の農業振興を目的に、
☆ Cultures vivrières
 (食糧生産栽培。日本でいう、「作物栽培」のイメージかしら。日本だと作物というと
 お米や麦だけど、ガボンではバナナやマニョックがこれにあたります)

☆ Maraîchage(野菜栽培)

☆ élevage(家畜飼育)

☆ transformation(加工。主にマニョック製造)

などなどを振興するプロジェクトを各州で実施中です。



こちらは今年7月、JICA調整員と農業系隊員で訪問した首都リーブルビルの
IGAD野菜ほ場。住民への研修後、野菜生産・販売を促します。





クラムトゥのIGADのバナナほ場。
ひとり1ヘクタール。広い!

バナナやマニョックは一家族、2~3ヘクタール管理もよく聞くけれど、
それにしてもこの面積の森を人力で切り開いて、焼いて、植えて、雑草とって、収穫・・・
ものすごい労働です。






同じくクラムトゥに最近設置されたマニョック加工所。



棒状のマニョックを作るときは、いもの状態から水につけて発酵させた後、
粉砕して粉にする作業があります。

杵と臼ですりつぶす方法もありますが、自動の粉砕機があればとても楽。
IGADでこの粉砕機を提供し、一袋いくら、という感じで料金を徴収して
粉砕委託業務を行っています。
(こういう粉砕機は街なかにもいたるところにありますが)

加工所に常勤する地域の女性の雇用創出にもなっています。
食品を扱うところなので衛生管理の張り紙もはられていたり、素晴らしい。



IGADの職員の方(ガボン人です)には、
忙しいのにいろいろ相談にのってもらったり、
教えてもらったり、作った資料をみてもらったり
とてもお世話になっています。


そして先日、IGADの5カ年計画の中間報告会が配属先を会場として
開催され、出席しました。
地域の行政の上の方も出席していて、農業振興について、
色々な立場のひとが意見交換をするとてもよい機会だったと思います。

その中の議題のひとつに、
(やはり辿り着くところはおなじなのか)

いかに若者に農業に興味を持たせるか、という議題があがりました。

野菜栽培にかぎらず、
現在は元気なおばちゃんたちが担っている
主食のマニョックやバナナの担い手もいなくなるのでは、
将来どうなってしまうのだろうか、

という危惧があるのです。

(実際は、企業や、富裕層が人を雇って大規模プランテーションを
 やっていくことも増えるのでは、とも思いますが…)



色々な案が出される中、
自分は、これまで配属先とやってきた学校での農業実習の活動、
生徒へのアンケート結果から見られた変化(実際に自分の家で菜園を実践してみたかとか)
について話して、教育機関との連携の必要性を話しました。


自分が出した意見にも、どんどん意見がつけたされて、
出席者の子供時代の学校菜園の取り組みの話も飛び交ったり
これまでの失敗談も話されたりしました。



最終的にまとめられた、オグエ・ロロ州としての政府への提言の中に
学校で一教科として農業を学ばせたり、若者への農業訓練の機会をつくる案
が盛り込まれました。


提言をだすだけではどうなるかわからないところではありますが
若者へ農業の関心をひくことの重要性が、
こういう場で偉い方の中でも共通認識として持てたということは
まず一歩進んだのでは、と思いました。






朝から晩までの会議となりましたが、
義務ではなくて自主的に参加していた上司のひとり(写真の右端の民族衣装の女性。)が、
「面白いディスカッションだったわ!!」と満足気で、
私もつられて満足気に。


あともう2~3年ガボンにいられたら(長い!)
もっと色々な変化が見られるんじゃないかな~という思いもふと抱きつつ、
一日を終えました。