任地の野菜栽培農家の営農について
見えていない部分が多いと思いましたが、

同僚や野菜研修機関の職員の話を聞いたり
農家と一緒に作業したり
自分も配属先で畑作業をやって土地の準備から販売まで経験したり
任地の農家を比較したりして、
何となくそれぞれの農家の特徴が見えてきた部分もあります。

現在、いちばん応援をしたいと(心の中で)
思っているのが、野菜栽培をはじめて4年目の農家。

任地に赴任したての早くから知り合って、人柄がとてもよくて
教わることが多く、とてもお世話になっていました。

野菜研修機関の研修を受けることもなく、
我流でこれまで栽培をしてきた農家です。
乾季は毎日ジョーロで川⇔畑を何往復もする必要があるのですが
働き者でとても頑張っています。

ただ他の農家が当たり前にやっている作業でやっていなかったり、
もっと効率のよい営農ができる可能性があるな、と感じ、

任地で先進的な農家(親方と呼びましょう)
とできるだけ師弟関係(?)になるようにたまにその若手農家と
一緒に親方農家の畑におじゃまします。

こちらはトマトの整枝の仕方を教わっているところ。




その日の夕方、実際に自分の畑で整枝してみた図。



彼が今後のプロジェ(予定)を話してくれることがあるのですが
どう見ても、手間ばかりかかって収益が見込めなさそうなプロジェだと思って
真剣に反対したことも数回ありました。

小さい畑をあちらこちらに作らず、できるだけ集約して作業したほうがよい、
と私が主張したときは、なかなか伝わらず理解されませんでした。

その時はやっぱりその親方農家にお世話になり、
飲み会を設定して親方農家からそれとなくアドバイスを言ってもらうように
お願いしたりしました。
(まわりくどいですが、ある人から言って貰えれば話が通る、
ということが活動中には多くあるのです)



ちなみにこの親方農家、
栽培が上手であり、きっちり収益をあげているということもあるのですが、
以前より、クラムトゥでの、というよりガボンでの、
「可能性があるのに農業が発展していない」ことに
憂う気持ちを持っていて、

「やる気があるやつがいたらおれんとこに連れて来い」
と言われていました。

自分とおなじ「ガボン人」に、
「土と働く仕事をやってもらいたい」、という思いを持っています。

競合相手にもなりうる他の農家に自分の技術や経営を教えるのは
デメリットしかないのでは、と見られるかもしれませんが、
その親方農家の、「地域を思う気持ち」から
若い農家への指導もやってもらえています。
(この地に住むひとは「皆、家族」、という概念もあるので、
そういう考えも影響しているかもしれません)





若手農家の彼は日々とても頑張っていて、
最近、前は見られなかった変化がすこしあります。

◯比較的収益性の高い野菜を植えること
(彼の野菜栽培品目の割合に変化がありました)

◯常に収穫物が畑にあるように苗づくりを順次スタート


どちらでも、やはり、親方農家の畑でやられていることです。


もしかしたら干渉しすぎに見えるかもしれませんが、
まだいろいろもっともっとよい営農ができる可能性があるようにみえ、
(スタッフ管理の仕方とか・・・)
任地にいる間はずっと見守りたいです。