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ご無沙汰しておりました。
(ちょっと連勤で本も映画も音楽からも離れておりました…)
が!
素晴らしい本と出会ったので、今日はそれを紹介しようと思います。
私が敬愛してやまない草間彌生氏の自伝『無限の網』。
通勤列車の中でグアーッと読み進め、今朝読了して、
感動のあまりそのまま知人に「素晴らしいから読め!」と押し付けてしまったので
いま手元にありません。
私は恥ずかしながら草間氏のことを「大ファンだ」と公言しておりながら
氏が小説や詩や文章を書かれていることを知らずにいたので、
内心恐々としながら本を開いたのですが、
その文章の鋭さに「凄い人だ、本当に凄い人なんだ」と打ちのめされました。
文章の明朗さはもちろんのこと、詩の美しいことといったら!
彼女の見た世界、感じた不安、絶望、圧倒的な希望、重荷、不安定感…
なるほどそういうことだったのか、と、彼女の芸術作品(絵画や彫刻)の
生い立ちや意味がさらに分かる素晴らしい詩がたくさん掲載されています。
私はこの本を読んで、草間氏は、ニーチェ的「超人」であると感じました。
生の苦痛の全てを知り、体感し、体験し、味わい、苦しみ、それを乗り越える術を模索し、
乗り越える術を発見し、実践する。
また、漠然とした死の暗闇に怯え、憧れ、幻想を抱き、死を思うことで照らされる生を知る。
死とは何だろうと常に自問しながら、生きることの苦しさにも戸惑いながら、
それでも「なぜか」「どうしても」「むしろ望んで」「戦うように」生きていく。
最終的に彼女がたどり着いた答えがどういった『生』であるかは、
是非、この本をご自身でお読みいただいて、解釈し、感動していただければと思います。
繰り返すようですが、素晴らしい本です。
私はニーチェも大好きです。
しかし、ニーチェは死して久しい「歴史上の」存在になってしまいました。
一方で、草間彌生氏は、今この瞬間、生きておられる。
長い長い歴史という時間の中の、人間一人の一生という限られた「一瞬」が、
今重なっているという事実に、打ち震えます。
近日中に、(彼女の元に届くかは不明ですが)お手紙を出してみようかしら、と
思っていたりします。
だって、せっかく今生きておられるんですから。
それって物凄く奇跡的なことだと思います。
ガブガブマシーン