欲しかったのは、指輪そのものではなく、「大切に扱われている感覚」だったのだと思います。


入籍後も、夫は自主的には動きませんでした。

私はそのうち、泣きながら何度も指輪や挙式の話をする様になりました。

ようやく指輪を購入し、ふたりだけの挙式はしました。

でも、帰国後に和装で披露宴をしようという約束は、そのまま20年以上流されていきました。

いつも話を持ちかけるのは私からでした。

夫の方から、その話をしてくることは一度もありませんでした。

夫は以前、「前妻には何度も結婚どうするの、と言われた」と話していました。

だから私は、いつか夫の方から言ってくれるのを待っていました。

でも、何も起きませんでした。

期待して、待って、何も起きない。

その繰り返しでした。

7年前にも、指輪や和装、そしてレスのことについて話しました。

その時も夫は、「日本に帰ったら」と言いました。

でも、そのまま7年が過ぎました。

7年前に夫から日本に帰ったらと言われた数カ月後、夫に「免税でスマホを買いに行くけど一緒に行く?」と言われ、もしかしたらと思って少し小綺麗にしてついて行きました。

でも、夫は自分の買い物だけをして終わりました。

その後も、私が欲しいと言っていた指輪の店の前を通る時、夫は必ず真正面だけを見たまま歩いていました。

昨年、夫はこう言いました。

「前妻の希望は全て叶えたけど離婚したから、2回目は何もしないと決めていた」

その言葉を聞いた時、長年感じていた違和感の意味が分かった気がしました。

私は最初から、「それくらいでいい」と思われていて、そして、夫は最初から、本当は何もするつもりがなかったのだと。

これまで向けられてきた言葉や態度が、ひとつに繋がり違和感がどこにもありませんでした。