2014年 10 月 978 号 |
かけだし情報 |
ガバレ農場 鴻巣市前砂359 ℡548-1173 |
畑情報
先週は雨降りのぐずついたお天気が続きましたが、今週は気持ちよい秋晴れの中で過ごせそうな予報となっています。10月も残り1週間となり、鴻巣市周辺での稲刈りも終盤となりました。晩生の品種は11月に入ってからの刈取りもありますが、半年間の米つくりを終えた田んぼは寂しそうな感じがします。
田んぼを有効に活用するには、稲刈りが終わったら麦を播き、来春に麦を収穫するというのが昔は一般的でした。今でも大規模稲作農家は、麦と米を育てることが多いのですが、米つくりはしても麦はやめてしまった、という農家が増えています。麦の収穫を迎える6月は、田植えの準備と重なるために作業時間を取ることが難しくなっているのが大きな理由です。うちも昔は麦も作っていましたが、夏野菜の定植や種まき時期と重なるために、今では麦の栽培はしていません。
麦作りは今後の課題のひとつです。
稲刈りの終わった田んぼは、すでに来年の米つくりに向けての準備が始まっています。準備と言っても大げさなものではなく、緑肥の種を播いただけなのですが。合鴨を入れる田んぼには、稲刈りの前に例年通りにヘアリーベッチの種を播きました。合鴨の田んぼは肥料と呼べるものは入れていません。春先にヘアリーベッチを刈り取り、それを田んぼにすき込んだものが元肥となります。ヘアリーベッチはマメ科の緑肥なので、空気中の窒素を取り込んでくれるために、堆肥などを入れなくても十分な肥料分を確保することができるのです。
また、ヘアリーベッチは雑草の発芽を抑制する物質を含むために、初期の雑草を予防する効果も期待できます。ただ難点なのが刈り取ったヘアリーベッチをすき込み、田んぼに水を入れて田植えの準備をすると、臭いがでてしまうこと、そしてすき込まれたものが分解されるときにでるガスによって稲の根が障害をうけることです。この問題を解決する方法のひとつとして、今年の米つくりでは光合成細菌を田植え後に田んぼに入れました。前にかけだし情報でも書いたと思いますが、この光合成細菌は臭いガスの元である硫化水素を食べてくれる菌なのです。
田植えをしてから光合成細菌を散布したのですが、直後に台風による大雨が降り、田んぼの水が溢れだすことがありました。光合成細菌自体は昔からいる菌で、田んぼの中にもいるのですが、この大雨によって効果が半減してしまったかもしれません。ただ、今年の収獲は前年に比べればとても良く(前年が台風による倒伏や水に浸かったこともありひどい状況だったのですが)、稲の生育具合も良かったので、もう少しヘアリーベッチと光合成細菌の組み合わせを続けてみようと思っています。
そして今年、慣行の田んぼにレンゲの種を播きました。昔はレンゲを田んぼの肥料としていた農家も多かったのですが、化学肥料の普及とともにレンゲは姿をけしてしまいました。今も所々で春先にレンゲの田んぼを見かけますが、肥料として考えているよりは、景観やミツバチの蜜源としての利用のほうが主体のようです。
今年も日本各地で大きな災害が発生しました。大雨や地滑りなどの影響で、農作物への被害や畑、田んぼの被害が出ているところも多くありました。いつ、どこの地域で被害がでてもおかしくないのが最近の自然災害です。たまたま今年は豊作だったとしても、来年の同じように収穫できるとは限りません。今年のお米は高温障害もなく、例年以上の収量がありましたが、こんな年のほうが例外的なのかもしれません。
25年度産のお米が大量に在庫となっているために、今年の買い取り米価はとても安いものになっています。作れば作るほど赤字になるような値段です。それは今後、TPPなどともあいまって加速しかねない状況です。どんな農作物を作っていけば生き残れるのかを考えなるとき、人にも自然にも安心で、安全というものがキーワードの一つとなりそうです。
慣行栽培のお米を買ってもらっているお米屋さんも、有機のお米をもう少し広げてという話がありました。ただ、合鴨農法と言う特殊な方法でなく、もっと皆が取り組できるような除草方法を使う必要があります。米ぬかやチェーン除草などを含めて考えていきたいと思っています。そのための取り組みの一環としてレンゲの種まきもあります。田んぼの作業そのものはしばらくお休みですが、来年に向けての準備はたくさんあります。