2015 年

2 月

991 号

かけだし情報

ガバレ農場

鴻巣市前砂359

℡548-1173


 畑情報 

 年が明けたと思ったら、暦はもう2月となりました。

あっという間にひと月が過ぎてしまった感じです。

この季節、南岸低気圧がやってくるたびにドキドキしてしまいます。先週の金曜日の雪は思ったほどではありませんでしたが、去年の大雪がトラウマのようになって、ハウスや倉庫が大丈夫か心配になってしまいます。降雪はこれからが本番なので、暦の上では立春を迎えるとはいえ、もうしばらくはドキドキが続きそうです。

 土曜日の深夜、北風が強く吹き付ける音に混じって、鶏の鳴き声が聞こえました。夜でも、小屋の近くを猫などが通ると、雄鶏が声を上げることはありますが、その夜はそれとは違う鳴き方でした。その鳴き方は以前にも聞いたことのあるもので、それは小屋の中にタヌキが入って鶏を襲っていた時のものと同じでした。

慌てて駆けつけ、懐中電灯で小屋の中を照らすと、何かに怯えて小屋の隅に固まっている鶏と、奥の方で光る目でした。小屋に入り、光っている目の方へ懐中電灯と向けると、そこには丸々としたタヌキが2頭いました。まさに鶏を襲い始めたときでした。

 タヌキも急に人が入ってきたことに驚き、小屋の中を走り回り、それに驚いた鶏と鴨がパニック状態で大騒ぎでした。タヌキも逃げることに必死です。こちらも持っているのは懐中電灯だけなので、地面に置いてあった鶏用の餌箱を持ち、タヌキを追いかけました。何度かタヌキに餌箱を打ち付けることができた気がしますが、気が付いた時には2頭のタヌキは小屋から消えていました。

 どこからタヌキが入ったかを確認してみると、入り口の扉横の金網が支柱から外れているのがわかりました。取り急ぎブロックを積んで外れた金網部分をふさぎました。翌朝、鶏の様子を確認すると、1羽の鶏が羽を傷つけられたのと、もう1羽、元気がない感じだった以外は大きな被害はありませんでした。

 鶏小屋は2年に一度くらいの割でタヌキに侵入されてしまいます。小屋自体が古くなり、金網も弱くなっているため少しずつ鶏小屋の再建を進めている所です。鶏の危険を知らせる声を聞き逃さないようにするのが、被害を抑える方法です。

 土曜日のNHKで『限界集落株式会社』という連続ドラマが始まりました。限界集落とは過疎化や高齢化が進み、経済的・社会的な共同生活が維持できなくなった状態の集落で、2006年の調査時点では、10年以内に消滅する可能性のある集落が423、いずれ消滅する可能性のある集落が2220となっています。(あくまで数字の上での話ですが)

 このドラマの原作は同名の小説です。祖父の暮らしていた限界集落にやって来た主人公が、過疎・高齢化した村の農業経営を担うことになり、村全体を農業法人化し、村を再生させていくというストーリーです。

村の高齢化した農家、都会から逃げてきた若者、行政との関係などが盛り込まれた物語です。今では当たり前になった朝どり野菜や減農薬、有機農業などもテーマになっているので、楽しめる話だと思います。

 ドラマの設定は原作と少し違うようです。有機農業を始めた反町隆史演じる主人公は、できた野菜を市場で買ってもらえず、村から逃げ出します。彼の畑は父親が手をかけて守っていましたが、急な病で急逝してしまいます。主人公の娘が、祖父の意思をついで有機農業を継ぐと宣言しますが、素人には作業は大変。そこへ父が戻ってきて有機農業をもう一度やるという事になりますが、彼の育てているキャベツが生産調整で売ることができなくなってしまいます。そこへ、東京からやって来た経営コンサルタントが登場し、自分がこのキャベツを売ってやる・・・と言います。第1回はここで終了。今後、村の再生のためにどう展開していくのかは次回以降へ。

 原作と違うのは主人公が有機農業をしていることです。他の村人や市場の関係者は有機農業なんかやめて薬(農薬)を撒け、と迫ります。東京からやって来たコンサルタントは、「農家は作ることばかりで売るのは他人任せ、自分たちでどう売るかを考えないからダメなんだ。」と村人に訴えます。

 中山間地から集落が消え、人もいなくなると山が荒れます。山が荒れると里も荒れ、生態系も荒れてしまいます。環境と開発のバランスは難しいですが、うちの鶏小屋をタヌキが襲うようになったのも、バランスが崩れているからかもしれません。ドラマも面白そうですから、一度見てみてはいかがでしょうか。