2024年5月4日
猪苗代町の天鏡閣へ。
国指定重要文化財です。
明治の香りを今に伝える天鏡閣。
明治40年8月、有栖川宮威仁(ありすがわのみやたけひと)親王殿下が東北地方御旅行中、猪苗代湖畔を巡遊され、その風光の美しさを賞せられてこの地に御別荘を建設することを決定されました。
明治41年春、雪解けを待って工を起こし、同年8月竣工。
翌9月、皇太子嘉仁(よしひと)親王殿下(大正天皇)の行啓があり、同御別荘を「天鏡閣」と命名されました。
大正13年6月、高松宮宣仁(のぶひと)親王殿下、有栖川宮の祭祀を継承するとともに、天鏡閣も同親王殿下に引き継がれました。
昭和27年12月、高松宮宣仁親王殿下より、天鏡閣、和風御別邸(現、県迎賓館)御別邸敷地が福島県へ御下賜されました。
昭和55年9月、天鏡閣修復工事着工。
昭和57年9月、修復工事完成。
昭和59年9月、昭和天皇・香淳皇后両陛下御来県。天鏡閣で御休憩されました。
昭和61年9月、徳仁(なるひと)親王殿下(現、天皇)が御来県。天鏡閣を御視察されました。
外から見た当時の正面玄関。今は出入りできません。
玄関の上のポーチがモダンな印象です。
昭和59年7月に建てられた有栖川宮威仁親王殿下銅像。
二階建て天然スレート葺の八角塔屋付き。
玄関を入ると中央廊下で仕切られており、南側には主要室を、北側には小室を配しています。
一階南側にある玄関。
玄関を入って、右側に食堂。
館内のあちらこちらに明治風ドレスを身に纏った素敵なご婦人方がいらっしゃいました。
食堂の窓際のスペースではロイヤルティーセットをいただくこともできます。
浴室。
二階に上がります。
お召し替えやお化粧に使われた付属室。
ロココ調の化粧台と小椅子は高松宮妃殿下から御下賜されたもの。
書斎。
居間。
客間。
厠。
玄関上のバルコニー。
塔屋から猪苗代湖方面を望みます。
またもや素敵なご婦人と遭遇。
当時の調理室が今の出入り口(受付)になっています。
天鏡閣オリジナルのお土産物も販売されています。
表門は煉瓦造りの柱門で、両開きの鉄柵扉を吊っています。
屋敷から猪苗代湖方面を見た風景です。
現在はうっそうとした樹木に囲まれた天鏡閣ですが、建築された頃は樹木も少なく、遠くからでもその優雅な姿を望むことができました。
磐梯山と猪苗代湖を目前にひかえるこの地は、避暑や賓客のもてなしに絶好の土地柄でした。
華やかな明治時代の皇族方の生活が感じられる天鏡閣。
優雅なひとときを過ごすことができます。