謙遜とは何か
謙遜とは、自分を低く見せる技術ではない。
本当の謙遜とは、自分の能力も限界も正しく理解したうえで、他者から学ぶ姿勢を持ち続けることである。
知識が増えるほど、人は「自分の知らない世界」がどれほど広いかを知る。
そのため、本当に学び続けている人ほど、軽々しく「私は何でも知っている」とは言わない。
一方で、謙遜を「自分には価値がない」と思い込むことと混同してはいけない。
それは自己否定であり、謙遜ではない。
また、自分の能力を隠し続けることも、本来の謙遜とは異なる。
必要な場面では能力を発揮し、責任を果たすことも社会に対する誠実さである。
謙遜とは、自分を小さくすることではなく、自分を正確に知ることから始まる。
そして、自分より優れた人から学び、自分より経験の浅い人にも敬意を払い、常に改善し続ける姿勢である。
学問の世界では、「知っている」と思った瞬間に成長は止まる。
だからこそ、大学という場所で最も大切なのは、知識の量だけではなく、「まだ学ぶことがある」と認められる謙遜さなのではないだろうか。