今回のリニューアルで、デザイナーはアーカイブを深く掘り下げたようだ。

シーマスターは、水にちなんだ名前にもかかわらず、昔からダイバーズウォッチだったわけではない。シーマスターは、1948年に34mmという小さな(現代の基準では)ケースサイズでデビューした。そして1957年、オメガはシーマスター 300を発表した。これは、ロレックスのサブマリーナーやブランパンのフィフティ ファゾムスなどに直接対抗するモデルで、アラビア数字とペイントのインデックスを備えたが、最も特徴的なのは、回転式の経過時間ベゼルを備えたことだ。シーマスター 300は、後のあらゆるシーマスター ダイバーズウォッチの青写真となった。そしてこのモデルは、あるMI6諜報員の腕に装着される300m防水シリーズへの道を開くことにもなったのである。


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2010年代半ばにヴィンテージテイストブームが到来した際、オメガはフェイクパティーナを採用し、レトロとモダンを融合させたシーマスター 300を発表した。今年の初めには、このコレクションのアップデートに関する噂が飛び交った。そして3月、オメガはシーマスター 300シリーズを一新したのだ。発売日にその時計についての記事を載せたところ、読者からは好評のようだった。しかし、それらの写真はプレス用のもので、我々はまだ実際にその時計を見てはいなかった。そして今回、ようやく実際に目にすることができた。

 私は先日、シーマスター300の新モデル3種全てを4日間手元に置くことができた。ブラックダイヤルのスティールモデル(ストラップ)、ブルーダイヤルのSSモデル(ブレスレット)、そして全く新しいシーマスター 300 ブロンズゴールドだ。ブロンズゴールドの素材の違いを除けば、3種のデザインと機能はほぼ同じだ。ヴィンテージモデルを追い求めずに昔の雰囲気を味わいたい方にはぴったりのモデルとなった。

 

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ダイヤルレイアウトは、かつてのシーマスター300を彷彿とさせる。シーマスターのモデル名は、ダイヤルの上部から下部に移動し、Seamaster 300と表示されている。これにより、オメガはダイヤルをすっきりとさせることに成功した。旧バージョンでは、クロノメーター規格とコーアクシャルムーブメントを示す文字があったが、これらは全てケースバックに移された。

 ダイヤルはパネライスタイルのダブルレイヤーサンドイッチ仕様になっている。ブラックの上層部にはインデックスと数字のカットアウトがあり、下層部にはフル夜光のフェイクパティーナが配置されている。この効果は、思ったよりも控えめなものだ。私のように目が悪い人は、この立体感をしっかりと把握するために時計を顔に近づける必要がある。住宅ローンの契約書の細かい文字を読む時のように。 

 

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このモデルでは、幅広いアロー時・分針が復活したが、SSバージョンの秒針はアローからロリポップに変わった。ロリポップ秒針には歴史的な前例があり(オメガは映画『007 スペクター』のシーマスター 300にも採用していた)、ファンの間ではこれが栄光への回帰であるかどうかが議論されている。私の目には、ロリポップの端が少し重く、秒針を重くしているように見えるが、時計を顔に近づけて見ているせいかもしれない。あなたの結果とは異なる可能性がある。

 一方で、新しいベゼルは文句なしに優れている。SSモデルのベゼルは、チューダー ブラックベイ 58のゴールドのスタイリングを彷彿とさせる。ベゼルはセラミックではなく、シュウ酸アルマイト処理されたアルミニウム製で、これが昔に戻ったような雰囲気を醸し出している。シーマスター 300の以前のバージョンは単色ベゼルだったが、このベゼルにはダイヤルに見られるようなエイジング加工のパティーナが施され、また、ベゼル全体が発光するようになっている。数字はダイヤルに合わせてブルーに光り、ベゼルの目盛りは分針に合わせてグリーンに光る。気になるベゼルの動きはもちろん、快適だ。