今週末にモスクワで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、日本の新たな経済政策について広く話し合われる見通しだ。主要7カ国(G7)が安倍氏の政策を支持しているかどうかに関して、相反する内容の報道が相次いでなされたことで、円は今週に入って不安定な動きをみせている。各国からの批判を受けて、安倍氏や同氏のアドバイザーは、円安誘導に関する発言をトーンダウンさせている。その代わり日銀が、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)が取った戦略と同様の、日本国債買い入れによる大規模な追加的金融緩和を約束した。これについて政策当局は、日本の長引くデフレを終わらせることが目的であり、その副作用として円が下がることがあるとしている。
投資家は円を競ってショートしたが、同じようにその取引を一斉に終わらせる可能性もあり、そうなれば円は再び上昇する可能性がある。特に、日本政府の脱デフレ政策が後退したと投資家が判断した場合はそうだ。
既に円売りポジションを減らし始めているヘッジファンドもある。顧客に代わってヘッジファンドに投資をしているオルタナティブ・インベストメント・グループのクリス・エートン氏は、「20年にわたるデフレの退治に向け協調した取り組みがなされつつあることは認識されている」とし、「だが、今回こそはこれまでと違うと心から信じることはまだできないようだ。まだかなり悲観的な見方がある」と話す。
円が下落するなか、だれが苦痛を感じているかははっきりしない。売掛金のある一部の日本の輸出企業は先物市場でドルを売り、円を買う傾向がある。これらの企業は現在、(円相場次第では)損失を抱えていることを意味する可能性がある、との指摘もある。
バンク・オブ・アメリカの金利・通貨調査部長のデビッド・ウー氏は「日本の輸出企業は円を買う必要があるが、ここ最近ではその動きを多少強めている。円安が続かないとの見方からだ」と指摘する。
無論、最近の日本株の上昇は輸出企業の株価にも好影響を及ぼしているが、輸出が以前ほど日本経済の大きな部分を占めていない現在では、円相場の下落が与える影響は減少していると一部のアナリストは指摘する。
ソロス氏が英ポンドを売り浴びせた当時とは異なり、ソロス氏やその他のファンドが日本経済や円相場を不安定にさせる可能性は低い。円市場には厚みがあり投資家がそれを左右することは難しい。日本国債のほぼすべては国内の投資家が保有しており、日本売りが大きな影響を及ぼしていない理由の1つとなっている。
また、ソロス氏がポンドを売ったのは当時のイングランド銀行(中央銀行)の政策に反するものだったが、現在のヘッジファンドの行動は、日銀がデフレ対策に成功することへの期待を反映している。
最近では新たな投資家が円取引に殺到している。投資家がいっせいに円売りを模索すれば、遅れてきた投資家は円を売ろうとするこの新たな熱意を後悔するかもしれないと懸念する向きもいる。最近株価が急落したアップルには多くの投資家が殺到していたようにだ。
投資家の多くは少し前まで、損失拡大に持ちこたえられなくなり、当初の円売り取引を手じまっていた。住宅ローン関連の金融商品を長い間、売りポジションにしていた玄人筋が、住宅市場がとうとう2007年に軟化する前に手じまってしまったことと似ている。
前出のグリーンライト・キャピタルのアインホーン氏の場合のように踏みとどまった投資家もある。彼のファンドは円安に賭け、1月のリターンは3%を超えた。
「3約年前に円安を見こんだ取引を始めた。最初の2年間と何カ月かは、この取引は面白くなかった」と振り返る同氏。
複雑なデリバティブから、アインホーン氏が買ったという単純なプットオプションなどに至るまで投資家はさまざまな方法で円安を見込んだ取引を行ってきた。
他の投資家もギアを早急に入れ替えなければならなくなった。世界最大のヘッジファンドであるブリッジ・ウォーター(運用額1410億ドル)は2012年の大半、円高を見込んでいた。しかし昨年第4四半期に円強気ポジションを手じまった。同社が投資家に宛てた1月のレターによると、「現在やや円をショートにしている」という。
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ユロドルは1.3356ドルとなんとか
踏みとどまっていますが
ドル円は93円割れてしまいました。
14日はダウ平均の重要変化日ですが
マイナス圏から一ドル高まで現在持ち直しているようです。