訪問リハで利用者の理学療法を担当すると、
時折感じることがあります。
※下記の内容は、整形や脳血管疾患など、怪我や病気で入院し、回復期のリハ病院を経て、自宅に帰る利用者(患者)さんを想定しています。
・急性期の病院では、
しっかり『拘縮(関節が硬くなること)を
作らない』ように理学療法をしてほしい。
・回復期の病院では、
この時期でも、『拘縮を作らないこと』は
当然ですが、利用者のニーズに応じて、
拘縮の治療はもとより、
あらゆる『機能回復の向上』に向けて、
最後の1日まで、しっかりと理学療法をしてほしい
と感じています。
けっこう当たり前のことを書いているのですが、これができていない理学療法士が多いように感じます(一部、自戒を込めて)。
なぜなら、生活期(在宅)での訪問リハは、
『1週間につき、120分』しかできないからです。
時間的制限があるのです。
そのため、はじめから機能回復を目指して、利用者さんに関わると非常に目標達成までに時間が掛かることがあります。
『卒業』が難しくなるわけです。
本来の訪問リハの役割は、機能回復が主ではないのです。
(機能回復は『部分』ではありますが・・。)
訪問リハの役割は、
『利用者さんが自宅で生活できるよう、
利用者さんとその環境を上手く適合させて、
自立支援を促すこと』
だと考えています。
そして、『社会参加を促進すること』だと考えてます(現在は)。
回復期リハ病院では、
退院に向けて、自宅を『想定』した環境で何度も動作練習することがあります。
入浴やトイレ動作などなど。
それは、あまり意味がないのではないかと
最近は感じています。
(全く必要ないとは思っていません・・・)
なぜなら、病院で自宅を『想定』して練習しても、あくまで『想定』なのです。
同じ環境が作れるなら、意味があると思いますが・・・。
自宅と病院の環境は、全く違ったりします(心理面など)。
ですから、回復期のリハ病院で
退院前に自宅を『想定』した環境で、
繰り返し動作練習をするなら、入院中に時間が十分あるうちに、
どんどん不足している機能回復に向けて、
理学療法をしてほしいのです。
入院中にしかできないことをすることが大切だと考えます。
そして、退院後の自宅のことは、訪問リハに任せてほしいのです。
訪問リハで、自宅の環境を考慮し、
利用者さんとどうやったら、安全に入浴できるか、トイレに行けるかを検討した方が、実践的で意義があります。
利用者さんの退院後に訪問リハで入ると、
入院中行った動作練習に意味を感じなかった利用者さんに会ったり、
たまに『使われない手摺』などと遭遇することがありましたので、
私の考えを少し書いてみました。
今回の記事は考え方によっては、少し偏った内容であると思います。
あくまでも、一つの考え方として捉えていただければと思います。