みなさんこんにちは
救急で男性看護師として働きつつ
コロナとも戦っている
パパナースのヒロですグラサン
 
自衛隊が北海道と大阪府に派遣されてから
一週間以上が過ぎました
 
コロナの状況は相変わらず
新規陽性者が多くいる中、
当院も多くの重傷者の受け入れをしています
 
自衛隊が派遣されたのが
奥の手」みたいに報道されていますが
実際にはどれだけの効果があり、
医療体制への影響としては
自衛隊派遣の効果がどれだけあったのか
気になりませんか?
 
そこで今回のテーマは
【自衛隊ナースの派遣の効果】
医療ひっ迫に逆効果!?
再派遣しない本当のワケ
 
 
①自衛隊ナースとは
②自衛隊病院と日本赤十字社
③災害派遣の基本のキと医療圏
④自衛隊ナース派遣の作用と副作用
 
 
①自衛隊ナースとは
今回の新型コロナ感染症で奥の手のようにして
県知事の養成に応じて派遣された自衛官のナース
寒い中、クラスターが起きた病院などで
地域医療のマンパワーとして
期間限定で派遣されました
 
当然、自衛隊からの派遣ですので
自衛官の看護師として訓練をされている
看護師さんです
 
看護学校では銃を撃ったり、
ほふく前進で行軍する訓練をされています
 
そのほかにも防衛医科大学など
医師の養成施設もあります
 
では災害派遣や戦地への派遣が本文だとして
それ以外のいわゆる平時はどうしているか
 
それは防衛省管轄の自衛隊の医師や看護師などが中心に
自衛隊病院などでそれぞれ医師・看護師として働いています
 
平時においては近くに銃をおいて置くわけもなく、
そこは地域医療のニーズによって
または病院によっては救急病院指定を受けて
救急者を受け入れたり、
もちろん一般診療科の検査や入院も行っており、
そこにおいては「自衛隊だから」という特別視は不要です
 
 
②自衛隊病院と日本赤十字社
自衛隊のように災害派遣され、
平時は病院経営をしている組織がほかにもあります
 
有名なのは日本赤十字社でしょう!!
 
赤十字病院も地域の医療を支えつつ、
本文は災害派遣にあります
 
各県に1つ以上あり
世界中にも赤十字の期間があります
 
日本では多くが災害拠点病院として認定を受けていたり
病院によっては
ドクターヘリやドクターカーなどの機能も持ち合わせているところもあります
同じ看護師として憧れますね…
 
そのほかにも献血した血液を輸血として患者に届けるための
血液センターや
社会福祉施設を運営したりしていますが
やはり本文は災害派遣がメインになります
 
自衛隊病院が防衛省が管轄しているのに対して
赤十字病院は日本赤十字社が管轄しています
 
これ以外にも災害などの有事に駆け付けるシステムが日本には
いくつもあり、そのすべてが
平時は自分の施設や医療圏の医療体制を守るために活躍しています
 
③災害派遣の基本のキ
災害派遣といえば医療で考えるならば
DMATが有名です
 
先にも上げた災害拠点病院が派遣できるために
DMATのチームを構成しているものです
また先にも上げた日赤で言うならば
日赤救護班
 
それ以外にも消防機関の応援なども含めて災害時には多くの
機関が集結することが可能です
 
但し、
今回の新型コロナウイルス感染症で言うならば
多くの人が一緒になって派遣地域まで移動すること
コロナ流行地域に入った医療者が帰ってきて
自分の地域で感染拡大をさせるリスクがあることを考えると
 
派遣されたスタッフは新型コロナ診療に深くかかわる部署には
派遣されず、
派遣先の職員をコロナ病棟などに配属させた
「穴埋めとしての機能」を期待されています
 
そして期間が過ぎれば自分の医療圏に戻り、自分の医療を支えるために
活躍しなければいけないわけですから
「絶対に派遣されたスタッフが感染してはいけない」
そして
派遣されたことで派遣元の自衛隊病院が医療を縮小し
それによって地域の医療がひっ迫するようなことがあってはいけない
 
これは最低限のルールです
 
ちなみに私の地元近くにある自衛隊病院は日ごろから救急車受け入れ率が悪く
友人の話では
コロナとは関係なく普段から医療崩壊している
と話しておりました
 
平時の地域医療を守れない組織は絶対に派遣支援などしてはいけないし
まずは自分の(地域の)安全を確保せずに火の中に飛び込むのは
ただのバカ者です
 
④自衛隊ナース派遣の作用と副作用
 
 自衛隊ナースが派遣されるのは
恐らく医療的に余裕のある地域からの派遣でしょう!!

そして医療において立ち向かっているのは
コロナだけではありません

私の病院も救命救急センターとして
コロナも重症の病気や怪我の人も
たくさん運ばれてきます!!

緊急的な生命の危機にあるため 
 ちょっと待っては許されず
出来るだけ早く治療を開始することが
その人の生死に関わります
 
コロナ派遣により
診療を制限しているとしたら
それはその地域の医療のキャパシティを
狭めてしまうことに他なりません

そうでなくてもコロナでいつも以上に
マンパワーがとられてしまう救急外来では
他の医療圏の救急患者を受け入れなければならないこと
それ自体が医療崩壊といわざるを得ません

自分の地域医療に果たすべき医療を
制限や縮小して他県に支援というのは
「自らを犠牲にして」というのは
なんだか聞こえが良さそう

でも
それは共助ではなく
共倒れや二次災害のリスクを考えずに
火事場に飛び込んでしまう
無責任医療者です

 

むしろ

看護師が自然発生的に集まってくる診療体制の見直し


そして

キャリア形成によっては待遇が差別化できる

そもそも安く扱われてきた看護師の待遇是正

これがなされなければ

数日間だけの看護師補充で

高度化するチーム医療が成立すると思われたら

たまったもんじゃありません





ABEMAプレミアム

 

だからこそ看護師は呼吸器をみられるナース
を差別化し
医師会や医療機関のなかでまずは待遇改善をされなければいけません

ちなみに友人の話では
日赤は数ヶ月から年単位で
施設間の人事支援をすることがあるようです

だって数週間だけ
施設の位置関係も物品の場所も
施設内のルールもわからない支援が来たところで

足手まといになってしまうリスクの方が大きくなりますから

 

私たち看護師は数合わせで

人数がいればどうにかなる

そんな簡単な仕事はしていません


その意味では自衛隊ナースによる

派遣の効果を事後検証していただき

「あまり意味がなかった」

「数合わせ以外の効果はなかった」

また派遣元の地域からも

「派遣により患者受け入れを制限した」

「派遣後に医療圏をまたいでの救急受け入れが増加した」

という正しい検証がされることを願ってやみません


世の中には共助ということばがありますが
本当に相手や地域医療のことを考えた優しさ
手軽に手を借りられる易しさ
自衛隊ナースの派遣は後者に思えてなりません

 

医療や看護にとって奉仕の心は大切です

でもプロとして人の命を預かっている責務がある以上は

私達医療従事者の善意に依存した今の待遇はそもそも長続きできないものであり、

私たちも便利屋さんに成り下がってはいけません


 


 
まとめ
・自衛隊ナースは普段病院で働いている
・派遣元地域の医療体制がひっ迫している事例は多々ある
・期間限定の看護師補充で現場は回らない
・数週間の支援は足手まといになるだけの可能性が高い
・派遣先と派遣元地域の声を聞いて検証をせよ
 
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それでは次回もみなさんの役に立つ記事を目指します
Goodluckチョキ