皆さんこんにちは。

 

パパナースヒロです。

 

今までは循環器の中でも苦手意識ナンバーワン

心電図シリーズをお伝えしましたが、

 

本日は

【房室ブロック】

です

 

 

 

 

 

 

房室ブロックとは

簡単に言えば

 

 

心房と心室の間の電気障害

 

これを理解するためには

刺激がどういう経路でつたわっていくか

 

刺激伝導系

 

これがわかっていないといけません

 

 

 

刺激伝導系を復習したい方は  →→ こちら

 

電気刺激は

心房の洞結節→房室結節→心室へ

 

 

この心房と心室のつなぎ役

房室結節

 

そしてそれを心室側に伝えていく経路となる

 

ヒス束

 

 

これらの伝導障害が原因で生じるのが

房室ブロックです

 

房室ブロックは

心房(A)と心室(V)のブロックなので

AVブロックとも言います

 

●房室ブロックの種類●

房室ブロックは以下の4種類に分けられます

 

① 1度房室ブロック

② 2度房室ブロック(モビッツⅠ型)

③ 2度房室ブロック(モビッツⅡ型)

④ 3度房室ブロック(完全房室ブロック)

 

では一つずつ見て行ってみましょう

 

 

① 1度房室ブロック

 

 

1度房室ブロックは

P波とQRS波の間隔がおおよそ同じくらいで

P波とQRS波が感覚が空いている状態です

 

 

心電図の小さいマスは

0.04秒

 

これが5マスで

0.2秒

 

これが空いているのが

1度の房室ブロックです

 

心臓にとって大事なのは

心室で血液を全身に供給すること

 

 

心室の動きは

QRS波

 

 

ですので

「QRS波がちゃんとでていれば大丈夫」

 

 

という考えから行くと

1度の房室ブロックは

経過観察ができる不整脈です

 

 

 

② 2度房室ブロック(モビッツⅠ型・

ウェンケバッハ型)

1度は常に等間隔でしたが、

ある意味規則的に心室の刺激が出ていましたが、

 

2度からは心室の収縮に影響が発生します

 

2度房室ブロックは2種類に分かれます

 

モビッⅠ型とⅡ型

もしくはウェンケバッハ型とモビッツⅡ型

 

モビッツ1型は

P波とQRS波の間隔が徐々にあいていきます

 

1拍ごとに徐々に空いていき

「P波は出るのにQRS波がない」

 

これがモビッツⅡ型です

 

ただし、

毎回QRS波が出ないわけでなければ

私たちだって期外収縮など起きていますから

 

これも

経過観察が可能な不整脈と言えそうです

 

ただし

医師に報告をして今後精査をしていく必要はありますかね

 

 

 

③ 2度房室ブロック(モビッツⅡ型)

 

これに対してモビッツⅡ型は

P-QRS間隔は一定であるにもかかわらず

突然QRSが出なくなる

どこで消失するのか兆候がない

 

これが特徴です

 

これはP波がでていても

QRS波が出ないわけですから

 

ある日突然

全くQRS波が出なくなる可能性

 

これは非常に危険ですね

 

出現頻度が多ければ血圧も維持できず

ある時急に意識消失していてもおかしくないかもしれません。

 

 

 

 

この頻度が増し。重症化したもので

P波2回に対して1回はQRS波が出ない状態

 

これを

高度房室ブロック

といいます

 

 

④ 3度室ブロック(完全房室ブロック)

 

これは心房と心室の刺激伝導が

完全に寸断されている状態

 

つまり

 

P波はP波で一定(P-P間隔は一定)

QRSはQRSで一定(R-R間隔は一定)

それぞれは連動していない

 

 

これも

心室が常に一定に収縮してくれるならばいいですが

房室結節にも脈がない時に生じる自動収縮機能

(接合部補充調律)junctional rhythm

 

心室にも

補充調律

があります

 

基本的には

心室に近づくほど徐脈になる

 

 

 

これのおかげというか

これのせいで

 

P波は刺激を送っているのに

房室結節まで届かないため

それ以下で

補充調律がQRSを出す

 

これが本態です

 

 

●治療●

治療の必要性はモビッツⅡ型から必要になります

 

 

その1 薬物治療

アトロピンイソプロテノールが挙げられますが。

刺激伝導系の異常による徐脈ですから

 

一時的によくなっても

持続しないのであれば意味がありません

 

 

ただ

救急カートに入っていれば

除細動器の到着が待てない間にできること

 

にはなるかもしれません

 

その2 経皮的なペーシング

今にも心停止しそうな状態や意識消失している場合などは

除細動器を用意します

 

これは

心室細動などにショックをかける機能だけではありません

 

微弱な電流を

経皮的に心臓に与えることで

心臓を強制的に動かすことができます

 

 

その3 埋め込み型ペーシング

 

経皮的に電気を流すことは

皮膚や筋肉などを経由していますので

それらにも余計なダメージを与えてしまいます

 

待機的にできるのであれば

電極を直接心臓に留置する方法が望ましいです

 

これには

・一時的な体外式

・永久的な埋め込み式

 

この2つがあります

 

 

基本的には

心筋梗塞などでうけたダメージなどで動かなくなったなど

一過性の場合もあり

 

初発の場合には

体外式(一時的の英語で「テンポラリー」なんて言ったりもします)

を選択します

 

これは刺激をするペースメーカー自体は体の外にあり

動く時などには不便ですし

抜けてしまったら大変です

 

ですから

永久的にペースメーカーが必要な場合は

埋め込み型になるということです

 

 

 

 

●ペースメーカーの適応●

 

ここまで読んでいただいたらわかります通り

ペースメーカーが必要なのは

徐脈です

 

そして

房室ブロックのなかで言うならば

モビッツⅡ型と完全房室ブロック

 

これらは

ペースメーカーを検討する必要が

ありそうですね

 

 

 

いかがだったでしょうか

心電図シリーズも病態に入ってきて

「やっと役に立つ話になった」

 

とのお声もありますが

 

これからも

「ぼくの勉強を兼ねて」

書いていきますので

 

 

「こんなテーマで書いてほしい」

 

というご意見などはコメントにお願いします

 

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