生得的な遺伝子情報がその人の後々の性格に大きく影響を与えることは、既にこれまでの
教育問題などに関するエントリ で述べた。

では果たして、心のはたらきはどこまで遺伝子で説明できるのだろうか?

答えは、「今はまだよく分かっていない」である。

心と遺伝子の関係は、過去20年間くらい非常に研究されていて、特に新し物好きな性格や、
リスクを好む思考、政治的な行動に至るまで、たくさんの研究報告がある。
そして、それぞれに関係している遺伝子はこれだ、というところまで掘り下げが行われてた
研究報告もある。

しかしながら、上記のような報告が相次いだのは2000年少し過ぎくらいまでで、その後2000年代
後半に行われた新しい検証的研究によってそれまでに見つかっていた性格と遺伝子の関係が
否定されてしまったものも多い。
要するに、特定の遺伝子と性格が関連しているかどうかは、それを支持するデータもある一方で
支持しないデータもあるわけで、はっきりしていないのである。

とは言っても、10年前と今とでは遺伝子研究の手法が大きく進歩し、全ゲノム解析がどんどん
一般的になっていくことから、遺伝子と心のはたらきの関係についても解明されていくものと
期待している。