G16 Holic

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コラムと映画レビューの話

HELP/復讐島
2026年/アメリカ(ウォルト・ディズニー・ジャパン)/サスペンスホラー
監督:サム・ライミ
主演:レイチェル・マクアダムス(リンダ役)
2026年1月30日日本公開


リンダは真面目で優秀な社員だったが、上司には評価されていなかった。
成果物だけ奪われ、家ではインコに話しかけて鬱憤を晴らしたり、バラエティ番組『サバイバー』を観て気を紛らわす毎日。
あの日、新たにCEOとなったブラッドリー・プレストンがやってくる。
彼女はブラッドリーにアピールするが、キモがられるだけだった。
そしてバンコクへの出張に幹部らと一緒にプライベートジェットに乗ったリンダ。
幹部らはリンダが『サバイバー』出演オーディション用に撮った映像をみんなで観て笑っている。
そのとき飛行機が激しく揺れてドアが吹き飛ぶ。
シートベルトをしていなかった幹部達は吹き飛んでいく。
嵐の海面に不時着した飛行機から脱出し、孤島に流れ着いたリンダ。
ブラッドリーも岸に流れ着いていたが、足を負傷して動けない状態。
『サバイバー』マニアのリンダは、器用に寝床や飲み水を確保していく。
リンダはブラッドリーを介抱する。
リンダを下に見ているブラッドリーは、ときおり反抗的な行動をするが、そのたびにリンダの足元に跪く事になる。
そしてブラッドリーがこの島を真相を知り、二人の生活は終わりを告げる。

まず、この映画は「パワハラ上司に不当な扱いを受けているOLが立場逆転して復讐する話」ではない。
リンダが不当な扱いを受けているのは確かだが、リンダは計算能力が高いというだけで、会社の重役として適任の人物としては描かれていない。
どちらかというと付き合いづらいタイプの自己中心的な人物で、こんな人が副社長になったら会社は傾くんじゃないかと思える(^^;
そんな人に孤島で主導権を握られる金持ちエリートというホラーコメディなんだと思う。
そしてそんなサバイバル生活の中でリンダは「この状況を利用してブラッドリーに復讐してやる」なんて思っていない。
恐らくは「私への不当な扱いが勘違いだった事を教えてあげるわ」といったところだろう。
そしてブラッドリーが反抗するたびに矯正するようにキツイ罰を与えるというわけだ。
ブラッドリーや幹部達の性悪ぶりをアピールしたミスリードで、映画のヴィラン役を巧みに入れ替えるサム・ライミ監督のジェンダー風刺だ。
なので「HELP/復讐島」という邦題はダサい上に不適格。
英題「SEND HELP」の直訳は「助けを呼んでくれ!」。
ブラッドリーの悲痛な叫びなのである。

リンダとイノシシの死闘でイノシシの目をくり抜いて大量の血を浴びたり、ブラッドリーを心臓マッサージしながら次々とゲロを吹きかけるシーンなど、「サム・ライミだなあ」と思えるシーンが盛り込まれていてつい笑ってしまうw
 

帰って来たドラゴン
1974年/香港/アクション
監督:ウー・スー・ユエン
主演:ブルース・リャン(ドラゴン役)
1974年3月日本公開


主人公は悪人を退治しながら旅をしているドラゴン(ブルース・リャン)。
悪人から金を奪い、貧しい人に配っているので、常に悪の刺客から狙われている。
刺客を撃退し、組み立て式のイスで休んでいると、2人組の強盗に狙われる。
だがそれもあっさり撃退すると、その2人組を子分につける。
舞台はチベットに接する交易が盛んな金沙村。
そこには全国各地から凶悪な犯罪者が集まっていた。
その村で買われていく子供を逃がしたり、悪徳換金屋を懲らしめたりするドラゴン。
次のシーンでは宿屋で無理矢理に働かされていた娼婦を逃がす。
そんなドラゴン。
村を歩いているとイーグルという女武術家に勝負を売られる。
さこへイーグルを狙った男達が襲いかかってくる。
加勢して男達を倒すドラゴン。
噂を聞いた村のボスに呼び出されるドラゴン。
ドラゴンは西南地区の特別捜査官を名乗り、逮捕すると脅して金を払わせる。
次のシーンでは子分の二人が横暴な男を懲らしめようとして殺してしまう。
その男はこんな手紙を持っていた。
「ジャガーへ 金沙村へ急げ 緊急事態だ カンより」
二人は助けたおじいさんにスクーターみたいなのを貰う。
一方、ドラゴンのもとにはイーグルが訪れていた。
イーグルはドラゴンが村へ来た目的は、ジャガーが持ち帰る秘宝だと見抜いていた。
そしてジャガーが村に帰ってくる。
ジャガーを演じるのは“和製ドラゴン”こと倉田保昭先生。
イーグルは猿芝居で秘宝をジャガーから奪おうとするが見抜かれて失敗。
ドラゴンはジャガーの留守に秘宝を手に入れようとボスの家へ殴り込むが失敗。
ドラゴンはイーグルと手を組んでジャガーを待ち伏せ、秘宝の入った木箱とニセの木箱をすり替える作戦に出る。
このときのジャガーだが、なぜか子分二人組にいいようにやられて木箱をすり替えられるw
悪役で最強のカンフー使いなのに小物感が出てしまう(^^;
最後はドラゴンとジャガーの一騎打ち。
ここまではこのシーンまでの稚拙な前振りと考えていいw
殴り合って蹴り合っては走る!
次々と舞台を変えてしばき合う二人。
高い建物の壁と壁をよじ登ってまで戦う。
このときのスタントではマット1枚しか敷かれなかったらしい(^^;
落ちたら大怪我(爆)
そこから降りてもまた走って次の場所へ。
トンファーvsヌンチャクでも戦う。
死闘の末、ジャガーを倒したドラゴン。
ジャガーにやられていたイーグルのもとへ。
イーグルは「ドラゴン・・あの宝玉はどうかチベットへと返して・・」と告げて息を引き取る。
次の瞬間、宝玉を乗せたスクーターが誤動作で走り出し崖から落下。
宝玉とともに爆発してしまうw
終劇ww

いつもにやけていながらもカンフーが強いというマイトガイ的な無国籍感のある主人公。
ブルース・リャン演じるドラゴンは、どことなく若き日の原田大二郎のようだ。
スピーディなブルース・リャンの動きに対して重く鋭い倉田保昭先生の動きは対照的で良いバランスだ。

ストーリーは行き当たりばったりで、雰囲気だけ楽しむような感じw
「帰ってきたドラゴン」という邦題だが、特に何かの“続編”でもないし、和製ドラゴンと呼ばれている倉田先生が“ドラゴン役”でもないのでややこしい。
(ちなみに原題は『Call Me Dragon』で「俺をドラゴンと呼べ」的な意味)
日本ではブルース・リー亡きあとに遅れてドラゴン映画ブームが到来。
「あのドラゴン映画が帰ってきた」的な意味合いでつけられたらしい。
 

ガンバとカワウソの冒険
1991年/共同映画/アニメ
監督:大賀俊二
主演:野沢雅子(ガンバ役)
1991年7月20日日本公開

白イタチのノロイを倒し、冒険を終えたガンバ達は、それそれの道へ別れていた。
あるときシジンの婚約者ナギサが行方不明となる。
シジンはガンバら仲間達と再会し、一緒にナギサを探して欲しいと頼む。
かつての仲間(忠太)か集結し、ナギサ探しの旅に出る。
旅の途中でカワウソの親子と出会い、カワウソと行動を共にしてきたナギサとも出会えた。
カワウソは野犬に狙われおり、ガンバとともに楽園を求めて川の上流へと向かう。

1975年4月7日から9月29日まで全26話で放送された「ガンバの冒険」の続編となる劇場映画。
劇場映画としては2作目だが、1作目は総集編である。
「ガンバの冒険」以後のエピソードであるが、そもそも16年ぶりの続編なので、リメイクアニメとしての側面も持つ。
テレビアニメ版とは制作スタッフも異なるため、絵柄を寄せて、当時の声優を再結集させても、どこか似て非なる雰囲気が生まれている。
というのもテレビアニメの「ガンバの冒険」は出崎統監督作品であり、出崎さんのアニメというのは作家性が強く出る。
それが抜け落ちる事で、どこか子供向け教養番組のようになってしまった。
人間による自然破壊によって動物が棲家を追われ、数を減らしていくという問題提議も、表現が直接的過ぎてどこか説教臭い。
テレビアニメ版の模倣としては上手くいっているものの、反面で薄っぺらく感じるのはそのせいだろう。
 

28年後... 白骨の神殿
2025年/イギリス、アメリカ(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)/ホラー
監督:ニア・ダコスタ
主演:レイフ・ファインズ(ドクター・ケルソン役)
2026年1月16日日本公開


本作はシリーズ4作目であるが、前作「28年後...」の連作という形になっている。
前作で1人での旅に出たスパイクは、謎の若者集団と合流して映画が終わっていた。
廃プールみたいなところでスパイクが若者集団からリンチを受けているところから映画は始まる。
集団の一人と強制的にナイフで決闘させられる。
スパイクを舐めすぎて足の動脈を切られて絶命する相手。
それによりスパイクは仲間入りを認められる。
その集団はサー・ジミーをリーダーとする悪魔崇拝集団だった。
彼らはゾンビ感染は悪魔の仕業だと信じ、出会う人々を拷問し、悲鳴を悪魔に捧げるために行動していたのだった。
(仲間達は全員ジミーと呼ばれている)
その頃、前作でスパイク親子を助けたイアン・ケルソン医師は、感染者の中でも凶暴なアルファにモルヒネを打ち、サムソンと名付けて手なづけていた。
サムソンの手を取って踊るシーンとかカオスw
これを見て映画「ミミズバーガー」で主人公がミミズと踊るシーンを思い出したのはたぶん俺だけだろうw
そんな光景を目撃したジミーの一人が、アルファを従えるイアンを見て「覇王(悪魔の王)を見つけた!」と認識する。
サー・ジミーは単独でイアンと接触し、覇王ではなく医師である事を知るが、「覇王である事を演じろ」と強要する。
翌日、この映画の名シーンへ。
イアンはアンプを繋ぎ、アイアン・メイデンの「The Number of the Beast」を爆音で流しつつ、自らが覇王である事を演じきる。
インテリキャラが崩壊してハイテンションでパフォーマンスするイアン医師ww
音と光のイリュージョン!吹き付ける覚醒剤!
サー・ジミーの「そこまでやらなくても・・」という表情が可笑しい(^^;
こうして仲間に悪魔を信じ込ませ、より洗脳を強固なものにしたと思いきや、イアンはジミーズの中にスパイクがいる事を見つける。
そして「サー・ジミーを生贄に捧げよ」とジミーズに命じてしまう。
サー・ジミーは「こいつは覇王じゃない!」と逆上し、イアンを刺す。
混乱したジミーズは統制を失い、密かにサー・ジミーに疑念を抱いていた女ジミーことジミー・インクが残りのジミーを倒して、サー・ジミーも逆さ磔にするのだった。
永遠の眠りにつくイアンを見送り、2人で旅立っていくジミー・インクとスパイク。
(ここでジミー・インクが自分の本当の名前はケリーだと明かす)
そして死んだイアンのもとにやってきたサムソンが言う。
「ありがとイアン」
そう、サムソンは前日に施されていた精神病の治療が効いて人格を取り戻していたのだ。
ポストクレジットで父親と娘が登場。
娘はケリーとスパイクが感染者の群れから逃げているのを発見する。
この父親というのが1作目の主人公で、最初のサバイバーであるジムという仕掛け。

鑑賞後に知ったけど、「28年後...」って三部作だったみたいw
劇中でのイアンの「悪魔なんていない、いるのは人間だけだ」っていうセリフが主題なんだろうね。
ジミーズの悪魔的な所業も人間が起こした狂気だし、悪魔のようなモンスターだったサムソンも病気になっただけの人間だという・・。
つまるとこ三部作でやりたいのは、一度崩壊した社会を舞台に人間社会の歴史的本質をメタファー的に表現したいのかなと。
そういう意味ではゾンビパニック表現が無くなったのも意図的かなと。
三作目見てみないとわからんけど。
三作目で本物の悪魔とか出てきたら笑うしかないけどw

Licca ふしぎな不思議なユーニア物語
1990年/ビクター音楽産業株式会社/アニメ
監督:望月智充
主演:ジャッキー・チェン(ホワン・ダージョン役)
2025年12月12日日本公開

 

香山リカちゃんは小学5年生の女の子。
パパとママ、4歳の双子のミキとマキ、1歳の3つ子のみく、かこ、げんという大家族だw
パパとママ、頑張ったんだなw
リカがピアノを弾いていると、音の出ないキーがあった。
リカが弦を調べていると、愛猫イネが飛びかかってきて、パパから貰ったぬいぐるみのドードーとともにリカはピアノの中の異世界へ吸い込まれていく。
異世界ではぬいぐるみのドードーがしゃべり出した。
元の世界に戻るため不思議な世界ユーニアを旅するリカとドードー。
どろんこ沼の竜を訪ねる。
何でも願い事が叶う「アマランスの花」の事を聞き、それが手に入る「はじまりのはじまりの塔」の地図を貰う。
旅の途中で悪党になっていたイネに地図を奪われる。
でもなんだかんだで「はじまりのはじまりの塔」に到着w
イネとも合流し「アマランスの花」を手に入れる競争をするが、イネはユーニアを消滅させる赤い亀を起こしてしまう。
リカは「アマランスの花」を手に入れて願うのだった。
「すべて元通りに」と。
こうして元の世界に帰る事ができたリカ、ドードー、イネであった。

タカラの女児玩具「リカちゃん」をOVA化した作品。
監督は望月智充さん、作画監督は後藤真砂子さん。
この組み合わせは「魔法の天使クリィミーマミ」や「きまぐれオレンジ★ロード」であり、リカの作画が魅力的に描かれているのも納得の布陣。

SFファンタジーイラストでコンビ活動をしていた加藤龍勇&後藤啓介さんがコンセプトアートとクリーチャーデザインを担当しており、高田明美さんのキャラクターがその世界を歩く事で、より異世界感さが際立っている。
リカちゃんは魔法魔女のように不思議な力を持っているわけではなく、「ふしぎの国のアリス」のように普通の少女がドードーに導かれるままに先へ進んでいく物語だ。
どうしてもユルい感じの冒険になってしまうが、この不思議すぎる異世界感がそれを補っている。

劇中リカはたびたび服を着替えたり髪型を変えるのだが、これたぶんリカちゃんが着せ替え玩具だからだろうね。

なんとなく物語後半にいくに従ってリカちゃんが大人っぽくなっている気がする。
意図的かなあ?

リカちゃん役のかないみかさんは同じ時期に代表作「アイドル天使ようこそようこ」も演じている。
ようこに比べてリカは大人しめの役柄だな。

本作は2話構成でLDは前編・後編に分けてリリースされた。
それぞれ定価5221円。
OVAというのは当時、お金のかかるメディアだった。

同じ建付けで1991年「リカちゃん ふしぎな魔法のリング」、1992年「リカちゃんの日曜日」、1994年「リカちゃんとヤマネコ星の旅」と4作品のOVAが制作されている。
 

ペリリュー -楽園のゲルニカ-
2025年/東映/アニメ
監督:久慈悟郎
主演:板垣李光人(田丸均役)
2025年12月5日日本公開


昭和19年。太平洋戦争末期。
南国の美しい島ペリリュー島。
そこには日本軍が防衛拠点として1万人の兵士を駐屯させていた。
漫画家志望の田丸均は、その才能を見込まれ、功績係を任せられる。
戦死した仲間の最期の記録を残していく任務だ。
やがて4万人の米軍に囲まれたペリリュー島。
激しい戦闘で1万人いた日本兵がわずか34人にまで数を減らしていく・・。

日本人が実際に体験したノンフィクションに近い悲惨な物語を頭身の低いかわいらしいキャラクターで描くというのは日本人にしか出来ない着眼点だよなあ。
リアルに描いたらグロ過ぎる光景をデフォルメキャラが緩和させているとも言えるし、デフォルメで表現しているからこそ、想像力が補間してしまって、より心に突き刺さるものになっているとも言える。
キャラクターと対比して敵兵器はリアルに描写されているのも意図的で見事だ。
訓練された兵士でもなく、自分で選んだわけでもない普通の市民(しかも若者)が、帰れるアテのない戦場に送り出され、死ぬより苦しい毎日を強制的に送らされる地獄。
忘れてはならない戦争という罪を胸に刻みつけるための映画だ。
どんな理由があっても選んではいけない“戦争”という選択肢。
それをいまだに選んでいる国がある。
こういった作品が少しでもその選択を悔やませたらイイのにな・・。

ルックバック
2024年/エイベックス・ピクチャーズ/アニメ
監督:押山清高
主演:河合優実(藤野役)
2024年6月28日日本公開


小学4年生の藤野は、学校新聞で4コマ漫画を描いていた。
だがあるとき、同じ新聞に不登校の生徒・京本の絵が掲載。
その上手さに鼻を折られた藤野は、必死に絵を勉強し始める。
だが敗北感を感じてある日から漫画を描かなくなってしまう。
卒業式の日、担任に「京本に卒業証書を持ってってやれ」と頼まれ、嫌々ながら京本の家に行く藤野。
その場できまぐれに描いた4コマ漫画が京本の引き篭もる部屋の扉の隙間から中へと入っていってしまう。
京本は部屋から飛び出て、藤野に自分が藤野のファンだと告げる。
今まで敗北感を持っていた京本に認められていた。
その嬉しさに帰り道、足取りが弾む。
やがて二人は共作で漫画を描くようになり、何本かの読み切りが雑誌に掲載。
編集部からはプロになって連載しないかと声がかかるようになる。
だが京本はもっと絵が上手くなりたいから美大に行きたいと言う。
引き止めたいけど藤野の性格上それは素直に言えない。
藤野は一人で漫画家となり、人気の連載を抱えるようになるが、あるとき京本の訃報が届く。
京本は美大に侵入した異常者の刃にかかったのだ。
ショックで自らを責める藤野。
だが常に京本は自分の背中を見ていた事を知り、再び漫画を描き始めるのだった・・。

本作は『チェンソーマン』の藤本タツキ先生が、2021年に「少年ジャンプ+」に掲載した長編読み切り漫画『ルックバック』をアニメ化したものだ。
監督はアニメ版『チェンソーマン』の悪魔デザインを担当した押山清高さん。
漫画家だからこそ描ける漫画家の子供時代の感情描写、そしてあの「京アニ事件」を思い出さざる得ないショッキングな別れ。
それでも再び漫画に向かっていく藤野の背中で終幕。
何か大きく心に突き刺さる青春アニメ映画の傑作だと思う。
 

KILL 超覚醒
2023年/インド(松竹)/アクション
監督:ニキル・ナゲシュ・バート
主演:ラクシャ(アムリト役)
2025年11月14日日本公開


対テロ特殊部隊に所属する主人公アムリト。
任務から帰還してスマホを確認すると、任務の間に恋人が父親に婚約させられそうになっていた。
婚約式の会場に乗り込んでアムリトは駆け落ちしようとするが、恋人トゥリカは権力者の父親からは逃れられないと駆け落ちを拒否する。
婚約式を終えたトゥリカやその家族達は、ニューデリー行きの特急列車に乗り込む。
アムリトも同僚のヴィレッシュとともにその列車に乗り込んだ。
ところがその列車は強盗団の標的にされており、乗客をパニックに陥れる。
アムリトとヴィレッシュは二人で何とか強盗団を撃退しようとするが、その数の前に一度は敗北を喫する。
だが恋人であるトゥリカか殺されると、アムリトは鬼人へと覚醒し、次々と強盗団を殺戮していくのだった。

前半は「何も殺す必要は無いだろう」とまで言っていたアムリトが、同僚のヴィレッシュも引くほどの残虐ファイターになるのがこの映画のポイント。
一族の死体を前にオイオイと泣く盗賊団も印象深い。
とはいえ、覚醒したあともピンチは何度も訪れる。
スーパーサイヤ人的なカタルシスは薄い。リアリティ重視か?
アムリト何回捕まるんだよと思ったけど(^^;
アムリトの使う格闘術はイスラエルの「クラヴマガ」とフィリピンの「ペキティ・ティルシア・カリ」を元にしているらしい。
インド映画というとやり過ぎなデフォルメ描写とダンスシーンのイメージが強いわけだが、この映画はそのどちらの要素も無い真面目な(?)バイオレンス映画になっている。
なんとなくだけどマカロニウスタン的な雰囲気もあったなあ。
 


プレデター:バッドランド
2025年/アメリカ(ウォルト・ディズニー・ジャパン)/SF
監督:ダン・トラクテンバーグ
主演:エル・ファニング(ティア/テッサ役)
2025年11月7日日本公開


誇り高き戦闘民族「ヤウージャ族」の若者デクは、一族の中で最弱とされ、兄・クウェイから鍛えられていた。
デクは宇宙で最も危険な地「ゲンナ星」で最強の生物カリスクを狩って帰る事で、一族に認められようとしていた。
そんな矢先に父がデクとクウェイのもとにやってきて「落ちこぼれのデクを処刑せよ」とクウェイに命じる。
兄・クウェイは自らが盾となり、父に殺されながらもデクをゲンナ星へ送り出すのだった。
ゲンナ星に降り立ったデクは、下半身を失ったアンドロイドのティアや、猿みたいな生物バドと行動を共にするうちに、心身ともに成長していく。
さてティアだが、その正体はウェイランド・ユタニ社のアンドロイドで、姉妹アンドロイドであるテッサらとともにカリスク捕獲に派遣されていたのだった。
ティアはデクを利用してティアのもとへ戻ろうとしていたのだ。

ちなみにウェイランド・ユタニ社は映画「エイリアン」シリーズに登場する“エイリアンを兵器利用するために回収を画策していた企業”だ。

そしてカリスクとのバトル。
カリスクは自己再生能力があり、デクもピンチに陥る。
だがカリスクはデクを仲間だと認識した。
自身の子供であるバドの匂いをデクから感じたからだ。
そのときテッサが登場し、カリスクの捕獲に成功。
同時に囚われの身となったデク。
旅の中で生き方を変えてきたデクを見てきて、自らの意思で生き方を変える選択をしたティアは、テッサを裏切りデクを助ける。
最後は「エイリアン2」のパワーローダーみたいなのに乗ったティアとカリスクとのバトル。
カリスクは殺されてしまうものの、ティアのサポートでテッサから勝利するデク。
それからいくらかの時間が経過。
成長したデクは父のもとへ戻り、父と対決。
見事に父を打ち倒す。
最後は成長したバドがプレデター父の首をパックンチョw
そのとき宇宙船で降り立ってきたのは“母”だった・・。

シリーズで初めてプレデターを主人公にしたタイトル。
劇場映画としては2018年の「ザ・プレデター」以来だが、ディズニープラスで2022年に「プレデター:ザ・プレイ」、2025年に「プレデター:最凶頂上決戦」(アニメ)が配信されており、本作はスピンオフ作品を除くと7作目となる。
出てくる登場人物が全て人間味の無いキャラで、各キャラの行動原理もシンプルなので、いまいち物語が平坦で淡々としている。
上記で書いたように、本作は成長物語なのであるが、心の変化を描写するのにプレデターもアンドロイドも全然適していない(^^;
一番わかりやすく成長したのは無敵生物バドだったという・・w

大巨獣ガッパ
1967年/日活/SF
監督:野口晴康
主演:川地民夫(黒崎浩役)
1967年4月22日日本公開


プレイメイト社の社長・船津は、リゾート開発事業を進めるため、リゾート用の生物を捕獲するチームをキャサリン諸島へ派遣していた。
船は火山の噴火するオベリスク島へ上陸。
そこで部族の歓迎を受ける。
「日本人キタ、ガッパ静まる」と。
一行は島で石像や洞窟を発見。探索に進む。
部族の少年サキは言う。
「ガッパ怒る、いけない」
そのたびに「大丈夫だよ」と制止を聞かない一行。
この繰り返しがしつこいw
これだけしつこいフリがあったら、きっとガッパ怒るんだろうなぁw
洞窟の中で発見した巨大な卵。
そこから孵化した怪物を一行は連れて帰る。
子供がいなくなっている事を知ったガッパの両親は子供を追って日本へ向けて飛び立つ。
その頃日本では船津社長は子ガッパを飼い慣らしてリゾートの目玉にするんだと大はしゃぎ。
そうこうしているうちにガッパは熱海に上陸。
ガッパ、巨大なタコ加えて日本に上陸するんだけど、そのタコなんかボイルされてない?(爆)
ガッパは口から怪光線吐くし、空飛べるし、2匹で行動するので、怪獣としてのポテンシャル高い。
ガッパが左右からボコボコに壊す城は熱海城(観光城)である。
熱海秘宝館は無事だったのかな?
ひとしきり暴れたあとに河口湖の中へと姿を消すガッパ。
自衛隊は湖の中へガッパの嫌がる音を流して水上へ誘き出し、ミサイルを撃ち込む作戦を立てていた。
一方、プレイメイト社では「子ガッパを返せばガッパも島へ戻るのでは?」と提案するが、船津社長は大反対。
記者の黒崎は「きちがいの言う事なんか我々は聞けません」と子ガッパ解放を強行するw
自衛隊はガッパを水上へ誘き出す事に成功するものの、ミサイルは効かなかった(^^;
怒ったガッパは火力発電所で大暴れ。
そんなとき、空港へと子ガッパを連れ出していたプレイメイト社。
スピーカーから子ガッパの鳴き声を流してガッパに気づかせる事に成功。
空港へと飛来した両親ガッパは、子ガッパと泣きながら抱き合うw
そのまま三匹で島に向かって飛び去っていくのだった。

ゴジラ、ガメラなどによって起こった怪獣映画ブームにのって、日活が「我が社もこのビッグウェーブに乗るんだ」と制作したのが本作である。
プロットは『キングコング』の影響をかなり受けている。
子供を取り戻しに来ただけのガッパには積極的に日本を破壊する理由は無く、他の怪獣映画と比べて破壊のカタルシスは低い。
これは「子供に見せる映画に良くない」と意図的にそうしている。

映画冒頭とエンディングで美樹克彦が歌い上げる主題歌『大巨獣ガッパ』が印象的。
「ガッパァァァァ、ガッパァァァァ、ガーーーッパァァァァァ♪」
この歌の歌詞はストーリーのほぼ9割を語っている(爆)