レーツェル2頭の女王斬り/ローズS | スプリンターズステークス(G1)激走穴馬を探せ!

レーツェル2頭の女王斬り/ローズS

<ローズS>◇21日=阪神G2◇芝1800メートル◇3歳牝◇出走18頭


 7番人気マイネレーツェル(栗東・五十嵐)がゴール前3頭による接戦を鼻差で制し、重賞2勝目を挙げた。勝ち時計は1分47秒3。1番人気の桜花賞馬レジネッタ、オークス馬トールポピーとクラシックホースをまとめて倒し、本番への弾みをつけた。2着ムードインディゴ、3着レジネッタまでが秋華賞(G1、芝2000メートル、10月19日=京都)の優先出走権を獲得。トールポピーは6着に終わった。


 レジネッタが満を持して抜け出すと、マイネレーツェルが外に馬体を併せた。その外からムードインディゴ。デッドヒートがゴールまで続く。これを制したのは、3頭の中で一番小さい412キロのレーツェルだ。内のレジネッタと首差、外のインディゴと鼻差。騎乗した川田将雅騎手(22)でさえ「検量室に引き揚げた時に、1着馬が入るところ(枠場)でスタッフが待っていてくれて、初めて勝ったと分かった」と言うほどの、際どい勝負だった。


 1歳時、わずか200万円で取引された青森産の小柄な牝馬が、2度目の重賞制覇を果たした。3月のフィリーズレビューでも3頭によるたたき合いを制しており、接戦での強さをあらためて証明。五十嵐忠男師(55)は「カッとすると耳を絞って、担当者でも寄せ付けない。それがレースでいい方に出ている」と分析する。


 春から馬体は12キロ増えた。この日は重馬場。小柄な馬には厳しい、力のいるコンディションだったが、見事にこなした。


 桜花賞では0秒3差の6着。オークスも直線で不利を受けながら0秒6差の9着なら悲観には及ばない。五十嵐師は「そんなに負けていないし、ここを勝ったんだから差はないと言ってもいいでしょ?」と笑顔。小さな根性娘に、再び大きなチャンスが巡ってきた。


出典:日刊スポーツ