ローズS レーツェル強襲劇!桜&樫の女王撃破 | スプリンターズステークス(G1)激走穴馬を探せ!

ローズS レーツェル強襲劇!桜&樫の女王撃破

 「ローズS・G2」(21日、阪神10R)


 G1馬2頭を蹴散らした。川田騎乗の伏兵マイネレーツェルが激しい叩き合いを鼻差制して、重賞2勝目をゲットした。春は桜花賞6着、オークスは不利があって9着に敗れたが、自慢の瞬発力に磨きをかけて堂々と秋華賞(10月19日・京都)へ向かう。2着はムードインディゴ。この日1勝した福永は、父・洋一さんの通算勝利数まであと「1」に迫った。3着レジネッタまでが本番の優先出走権を獲得。オークス馬トールポピーは6着に敗れた。


 ゴール前での激しい攻防が、マイネレーツェルの闘争心に火をつけた。厩舎でも人馬が近づくと威嚇するタイプ。内レジネッタ、外ムードインディゴとの激しい追い比べで挟まれる形になったが、412キロの小柄な牝馬は一歩も譲らない。道悪も克服、最後は鼻差だけ抜け出し勝利をもぎ取った。前哨戦とはいえ、桜と樫、2頭の女王を破る価値のある内容。川田は「思ったより前の位置になったけど、道中は馬の行く気に任せた。このメンバーでよく頑張ったし、引き続き楽しみ」と本番を見据えた。


 川田には格別の思いがあった。デビューから4戦連続で騎乗したパートナー。昨年11月のファンタジーS8着以来のコンビ結成となった。今年の皐月賞(キャプテントゥーレ)でG1初Vを達成するなど実績を積んだことで、オーナー側から再び声がかかった。


 「2歳のときに、うまく乗れなくて降ろされたからね。重賞をひとつ勝てて良かった」と、もう1度チャンスを与えてくれた陣営に感謝した。五十嵐師も大満足だ。「乗っていたし癖も知っている。ジョッキーも以前とは違うし、同じことはしないだろうから、きょうは任せた。期待以上だったね」と笑みがこぼれた。


 キャリア12戦のうち、1番人気は2回だけ。重賞初Vのフィリーズレビューは11番人気、桜花賞、オークスはともに9番人気。この日も7番人気だった。五十嵐師は「いつも人気がないからね。今度もそっとしておいて」とジョークを交えながら、「内心は思っていたけど、これで(上位と)力の差がないことが分かった。以前は切れとスピードだけだったが、力もつけている。カイバも食べるようになって、春よりも大人になったね」と心身ともに成長した姿に胸を張った。


 秋華賞では、もう伏兵とは呼ばせない。マイネレーツェルが最後の1冠取りへ大きく近づいた。


出典:デイリースポーツ