かりそめのなやみ
ゆく春のかりそめのなやみゆゑ
びいどろの薄き罎に
肉桂水を入れて欲し、
カステラの欲し。
鉛の汽車の玩具は
紫の目に痛し。
銀紙を透かせば黒し、
わが乳母の乳くびも汚なし。
硝子戸に日の射せば
ザボンの白い花ちりかかり、
なんとなう温かうして心空腹じ。
カステラをふくみつつ、その黄いろなる、
われはかの君をぞ思ふ、
柔かき手のひらのなつかし。
小さきその肩のなつかし。
かかる日に、かかる日に、
からし菜の果をとりて泣く人の
その肩に手を置きて、
手を置きて、ただ何となく寄り添ひてまし。
びん【瓶/×壜/×罎】
読み方:びん
《「びん(瓶)」は唐音》液体などを入れる、ガラス製や陶製の容器。
「からし菜の実をとりてなく人の」のところ何故泣くのかが分からない
ビードロ カステラ ザボンと色々カタカナがでてきまする
長崎みやげ
道ぐさ
芝くさのにほひに
夏の日光り、
幼年のこころに
*Wasiwasi 啼く。
伴にはぐれて
うつとりと、
雪駄ひきずる
眞晝どき。
汗ばみし手に
羽蟲きて、
赤き腹部すり、また、消ゆる
藍色の眼の美くしや。
つかず離れぬ
その恐怖、
たらたら坂を
またのぼる。
芝くさのにほひに
夏の日光り、
幼年のこころに
Wasiwasi 啼く。
* 油蝉の方言
螢
夏の日なかのヂキタリス、
釣鐘状に汗つけて
光るこころもいとほしや。
またその陰影にひそみゆく
螢のむしのしをらしや。
そなたの首は骨牌の
赤いヂヤツクの帽子かな、
光るともなきその尻は
感冒のここちにほの青し、
しをれはてたる幽靈か。
ほんに内氣な螢むし、
嗅げば不思議にむしあつく、
甘い藥液の香も濕る、
晝のつかれのしをらしや。
白い日なかのヂキタリス。
わが家にもあるジギタリス
帽子は全て赤色
ということはハートのジャック?
あまり考えないほうが良いか。
トランプの赤い帽子
画像は全てネットより
青空文庫
今日の朝の散歩をさぼった。
・・・
昼が暑すぎる。
いつものように昼寝 2時間。
夕方 やっと歩いたけど息切れが酷いし
フラフラしている
前傾にならぬように心掛けている
難しい。
拾い物 アエリエル さんのブログから
海月
