今月の展示作品より
SNSが個人の手の中にやってくる前
この作品をコレクションした1998年の新聞取材で
ジャッキー・パリー(1941ー)は全ての作品タイトル「Ways of Editing 編集の方法」について
「紙は情報の媒体としては最も一般的な素材でしょ
情報は膨らまされたり、カットされたりして編集される、それを綴ってみたの」と語っています。
かつて弟が海難事故で行方不明に。
その状況説明書は、当局により部分的に黒く塗りつぶされていた。
「もたらされた情報は家族にとっては不完全なものでとてもショックだった」
自分の精神的安定を得るためにもこのような作品を創り始めた
赤い色は警告を意味し作品が小さいのは常に人間サイズを念頭に置いているから」
1998年12月13日 産経新聞 より抜粋
自ら手漉きした紙を赤く染めたこの作品は左右が決まっており
耳をすっぽり覆う形、実際にそうしてみると外部からの音が不鮮明になり
無意識に目を閉じてしまうと、ひととき心地よく
それから
溢れ出る不完全な情報から離れることが困難な時代に
手の中に収まる軽くて丸い赤の意味の重さを感じるのです。
Jacki Parry
Ways of Editing 〈編集の方法〉
1998 cast handmade paper
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