塚原夫妻、宮川に「直接謝罪させて」 パワハラ問題が急展開/体操 | 茶漬けのソーダ水|記色

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 体操の2016年リオデジャネイロ五輪女子代表、宮川紗江(18)のパワハラ告発を受けた日本協会の塚原千恵子女子強化本部長(71)と夫の塚原光男副会長(70)は2日、代理人弁護士を通じ「宮川選手に対して直接謝罪させていただきたい」などとするコメントを出した。一連の問題について「私たちの落ち度が大きな原因」と全面的に謝罪。宮川に対して、反論や反撃の意図が一切ないことを強調した。

 態度が一変した。午後7時40分頃、塚原夫妻が代理人弁護士を通じて直筆の署名入りでコメントを発表。A4用紙2ページにわたり、反省の言葉を並べた。宮川に直接謝罪することを希望した。

 「私たちの落ち度が大きな原因。もし、私たちに直接謝罪をお伝えできる機会を頂けるのであれば、宮川選手に対して直接謝罪させていただきたい」

 この日の夜、体操界で絶大な影響力を持つ塚原夫妻が発表したコメントは「宮川紗江選手に対する謝罪」という題名で始まり、終始宮川を深く傷つけたことを謝罪するものだった。塚原本部長の「黙ってないわ」や、夫の光男副会長の「全部嘘」などのこれまでの発言に対し「私たちの感情に任せた自分勝手な発言等により、私たちが宮川紗江選手と対立姿勢にあるとの印象を与えてしまいました」と反省。宮川や家族に対し、恐怖心や不快感を与えたことを認めた。「私たちに会いたくないかもしれません」とした上で、直接会って謝罪する考えを明かした。

 事の発端は先月29日、宮川が記者会見で、練習中に自身に暴力を振るった速見佑斗コーチ(34)が無期限登録抹消処分を受けたことに関連し、塚原強化本部長のパワハラを告発。これを受け、塚原夫妻は同31日、宮川の告発内容をほぼ全否定する5ページの文章を発表した。

 「宮川選手を脅すための発言はしていません」。高圧的な言動や同選手の主張を一部否定。宮川とのやりとりを録音した音声データがニュース番組で流れるなど、事態は泥沼化した。宮川もテレビ番組に相次いで生出演し、パワハラの証拠とするノートの存在を明かした。互いの主張は平行線をたどり、世間の大きな注目を浴びていた。

 一連の言動について謝罪した塚原夫妻だが、この日発表されたコメントに、宮川へのパワハラがあったのか、なかったのかについての言及はみられなかった。パワハラ問題の処分に関しては「日本協会が立ち上げる第三者委員会の調査活動に全面的に協力し、その判断を待ちたい」とコメント。日本協会は3日にスポーツ庁に事情説明する。

 メダルラッシュが期待される東京五輪が2年後に迫る。体操ニッポンを揺るがす問題の早期解決が求められる。

体操・宮川のパワハラ問題経過

 8月29日に宮川が記者会見し、速見コーチの処分の「重さには納得できない」、「(体操の)塚原女子強化本部長と塚原光男副会長からのパワハラもあった」などと訴えた。30日に協会が第三者委員会を設置し、31日には塚原夫妻がパワハラを否定する文書を発表。一部に不適切な言動があったことを認めたが、高圧的な態度はなかったと主張した。

宮川 紗江(みやかわ・さえ)
 1999(平成11)年9月10日生まれ、18歳。東京都出身。2歳で体操を始める。中学1年で出場した2012年全日本種目別選手権の跳馬で3位となり注目を集める。14年南京ユース五輪・跳馬銅メダル。同年全日本種目別選手権・跳馬優勝。15年世界選手権、16年リオデジャネイロ五輪代表。1メートル48、41キロ。