【記者の目】 塚原夫妻、パワハラいっさい認めず「批判かわそう」との意思見える | 茶漬けのソーダ水|記色

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サンケイスポーツ📭五輪競技担当・只木信昭

 体操の2016年リオデジャネイロ五輪女子代表、宮川紗江(18)のパワハラ告発を受けた日本協会の塚原千恵子女子強化本部長(71)と夫の塚原光男副会長(70)は2日、代理人弁護士を通じ「宮川選手に対して直接謝罪させていただきたい」などとするコメントを出した。

 塚原夫妻が出した声明文第2弾からは、低姿勢で世間の批判をかわそうという意思が見える。

 今回「謝罪したい」としているのは、取材に対しての発言や先月31日の文書第1弾で「対立姿勢にある」との印象を抱かせ、宮川やその家族に恐怖心や不快感を与えてしまったことについて。パワハラについてはいっさい認めていない。

 宮川の主張を否定することに重点が置かれた文書第1弾は「全面反論」「対決」と報じられた。その結果、権力者の塚原夫妻に対峙(たいじ)する、か弱く若い選手という構図が描かれている。今回の文書はそうした見方を緩和させようという目的だろう。

 ただ、第1弾を含め、弁護士を通した“練られた”文ではなく、記者会見で直接この内容を答えた方が、世間の信頼は得られたのではないだろうか。(五輪競技担当・只木信昭)