「傲慢な無知を憎む」
と芥川賞を受賞した市川さんは言った らしい
市川さんはソクラテスだ
ソクラテスがまちなかでソフィストたちを論破して見せたのはなぜか
それは哲学というよりも
哲学の教育だ
うすうす気付いている自らの無知に無意識のうちにフタをしている世間の者たちを
(これは、ローマ人がキリストを殺したという事実をかえりみないローマキリスト教徒の行っているという、「選択的健忘」と同じだ。)
「無知の知」へといざなうためのものだ。
そのせいで、ソクラテスはアテナイ市民から嫌われた
死刑になるほど
「憎む」と
敵意を「見せて」いるのだ
もちろんソクラテスだって嫌われることが目的ではなかったと思うけど
「蜘蛛の糸」のお釈迦さまも
カンダタに糸を垂らしてやったのは
カンダタのすべてをご存知のお釈迦さまがそうしたのは
カンダタの発言も糸が切れる未来もご存知のお釈迦さまが
罪の自覚を その自覚が欠けていることの認識を
カンダタに促すためのこと
無知の知からしか始まらない
それなくしてアブラハムのマネだけすれば
ただ自らの子を死なせるだけ