シンプル・イズ・ザ・ワーストという考え方
シンプル・イズ・ザ・ベストという考えが今日主流だと言われている。一般的にシンプルなものは無駄が排除されているので、わかりやすく合理的で、流行にとらわれず普遍的な価値を持つとされる。
その一方でシンプル・イズ・ザ・ワーストという考えはあまり知られていない。しかしながらこれも人類の歴史の中で脈々と支持されてきた考え方だ。例えば、イスラム寺院のアラベスク模様、東南アジアの仏教美術の彫刻など、隙間ビッチリでシンプルから遠く離れたセンスだ。所変わり、同様にグアテマラでもシンプルなものは好まれない。基本的になんでも派手だ。それは民族衣装、交通機関、市場に並べられた商品、街並みなど至るところに見られる。機能よりも単純に見かけが重視され、隙間があったら何かで埋めずにはいられないし、非常に激しい原色が好んで用いられるのでとても派手だ。
シンプルかそうでないか、どちらにも長所、短所があるわけでここで両者のどちらがいいかという比較をしようとは思わない。だが最近ちょっと日本ではシンプル・イズ・ザ・ワーストという考え方があまりにも劣勢に立たされていると思う。
その一方、シンプル・イズ・ザ・ワーストという非合理が主導権を握っているグアテマラを歩くと、なんとも思っていなかった些細なものが自分の存在の主張を始め気になって仕方がなくなってしまう。だがおそらくそんな非合理が発する混沌とした息遣いがきっとこの国の魅力なのだろうと思う。シンプル・イズ・ザ・ワーストとは個性を発すると言う意味でより積極的な行為なのだ。
