TVドラマ『行列の女神~らーめん才遊記~』の黒島結菜、高橋メアリージュン、鈴木京香を観た | 徒然逍遥 ~電子版~

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こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。

 

テレビ東京系列で月曜22時放映の「ドラマBiz」という枠がある。
その名の通り、ビジネスに関わる人々を描く、言うなれば“経済ドラマ”的ポジションのドラマである。
今年のトップバッターは『病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~』という小泉孝太郎主演の見ごたえある作品。過去作では『ハラスメントゲーム』なんてのもあった。
今回はこれ。


『行列の女神~らーめん才遊記~』
梗概
ラーメンのチェーン店「らあめん清流房」を展開する芹沢達美(鈴木京香)は、女性ながら苦労して成功を収めた伝説的ラーメン職人。今はラーメン店向けフードコンサルティング会社「清流企画」も運営。その「らあめん清流房」を訪れたひとりの若い女性は、月替わりラーメンをわくわくしない、イマイチだ、と評した。現場を仕切っていた夏川彩(高橋メアリージュン)は仰天&激怒。が、入社試験の面接に来た女子を見てびっくり。あの女子、汐見ゆとり(黒島結菜)だったのだ。しかも、驚くべきは半年前に生まれて初めてラーメンを食し、感激のあまりこの業界に身を投じる気になったというではないか。社員全員これは不採用と信じたが、何と芹沢社長は採用のチャンスを与えた。

全8話の構成。黒島がど素人ながらも天性の才能を発揮し、数々の難問に積極チャレンヂ。プロフェッショナル揃いの社員らを納得させていく、といった塩梅のドラマである。

本来的には主人公は、伝説のラーメン職人に扮する鈴木京香であろう。しかし、観た感じとしては黒島結菜とダブル主演、乃至は黒島主演とも見えるほどに黒島が頑張る作品と相成った。


黒島結菜
今から5~6年前の夏、総武線の車両内で目撃したカルピスウォーターの広告に驚いた。なんという美美しい眉か!漱石居士も瞠目すること間違いなし。の黒々した眉に見入ってしまった。そう、モデルさんは黒島結菜その人だったのだ。

続々・最強太眉女優は誰だ?~黒島結菜

その後NHKドラマ『アシガール』主演で一大ブレーク。近いところでは『いだてん~東京オリムピック噺~』『スカーレット』などNHK好みの新進若手女優として頭角を現してきたのは誰もが知るところ。

NHK土曜時代ドラマ『アシガール』で黒島結菜を観た

 *『アシガール』*

 *『いだてん~東京オリムピック噺~』*

 *『スカーレット』*

今や映画でも『サクラダリセット 前篇/後編』(17)、『十二人の死にたい子どもたち』(19)、『カツベン!』(19)と活躍中。

一度観ただけじゃ難解な『サクラダリセット 前篇』

(『十二人の怒れる男』+「11人いる!」)×1/2≒『十二人の死にたい子どもたち』

 *『サクラダリセット 後編』*
 *『十二人の死にたい子どもたち』*

 *『カツベン!』*

で、本ドラマでは天性のセンスを発揮し、種々の案件に前のめりで取り組む多動症的快活女子を演じる。

 *『アオイホノオ』*
パターン的には『アオイホノオ』『アシガール』『スカーレット』の延長線上にある積極果敢な女子である。ど素人の無知ゆえの恐れ知らずか、発達障害に由来するKYなのか不分明だが、とにかく猪突猛進型。

『サクラダ~』のような片隅にそっと咲くスミレのようなかそけき存在とは無縁。『十二人~』みたいなサイコ調とも無縁の極めて健全な人物造形だ。


ネット上の一部では、うるさ型の演技が不評を買ったようである。が、個人的にはそれほどとは思えなかった。まあ元気のよい女子で、ガンガン前に出てくる鬱陶しさはあるのかもしれないが、嫌うまでには至らない。むしろ黒島の持ち味が発揮されたという思いが強く残る。


一見、芝居上手には見えないかもしれないが、セリフ回しや表情など的確である。殊に、微妙な表情の変化などは芸が細かく思わず見惚れてしまう。


カメラが回っている間は、油断せずに演技を続けるプロの所作動作が好感する。『十二人~』での杉咲花との競演は見応えあり。芝居巧者の杉咲と高水準の演技合戦を展開していた。

 *結菜嬢の顔芸がw*


声質も得も言われぬ心地良い響きを持つ。高過ぎず低すぎず薄くも無い。しっかりとした口調で聞き取りやすい。


そんなオールマイティ型実力派の彼女は本ドラマでも鈴木京香杉本哲太らベテランとも違和感なく渡り合う。一見、一本調子のやかましい女子かもしれないが、それは『アオイホノオ』や『アシガール』同様、コミカルなキャラ設定ゆえのこと。原作漫画があるのだが、恐らくはそれを忠実に再現していると見ても良いのではなかろうか。


だとすれば、その鬱陶しさも演技力あってのこと。観る者にそれ相当のインパクトを与えているということでもある。黒島の勝ちである。

昨年のTVドラマ『死役所』以上に彼女の魅力が横溢するキャラをぴたりと演じた。

 *『死役所』*

とりたてて目を惹く容姿でもないのだが、何か“持ってる”印象を受ける。それが女優としての資質なんだろうか。ガール・ネクスト・ドア的存在の最右翼に位置する女優だと思う。

 

 


高橋メアリージュン
『闇金ウシジマくん』シリーズのキャラとは大違い。すっかりマトモな人間である。
劇中ではそれなりの芝居を披露していて、失礼ながらちょっと感心した。彼女のキャラは『ウシジマくん』よりもフツーの人間なので、却って演じるのが難しかったのではなかろうか。しかも、熱意に満ち溢れたラーメン職人という設定である。頑張ったね、と褒めてあげたい。

自分としては、演技はさておき彼女の容姿が結構好きだったりする。やはり濃いめの顔立ちは舞台映えするのである。黒島との絡みが多く、必然的に出番も多いのが嬉しい。


しかも、フィリピーナのハーフと沖縄県人ということで両者とも日焼けしたような肌の色だが、二人並ぶとどうしても高橋に目が行ってしまう。ゴージャスなマスクと比してどうにも黒島が貧相に見えてしまうのは致し方ないところ。

 *貴重な制服姿も披露!*

 *ハーフ顔の凄み*

 *グラマラスな口元も好い♡*

芸歴は意外と長い。ハーフの強みを活かしてモデル活動を経てTVドラマや映画への出演もそこそこある。『L -エル-』(16)や『ブルーハーツが聴こえる』(17)などでもお目にかかったが、それほどの印象は残らなかった。しかし、演技という点においてはアベレージに達していると思うので、今後さらなる研鑽を積んでもらいたい。

 *『L -エル-』*
 *『ブルーハーツが聴こえる』*

 

 

鈴木京香
いまや堂々たるベテラン女優の貫禄あり。
思い返せば1991年、NHK連続テレビ小説『君の名は』のヒロイン真知子に抜擢。その後も着実に女優としての地歩を固めてきた。
朝ドラ主演の頃は当然ながら芝居もまだまだだったが、今となってはすっかり立派な女優さん。黒島同様NHK気に入りの役者である。

 *真知子巻きの図*
 

本ドラマでは男性優位のラーメン職人業界の中、艱難辛苦を乗り越えて超一流の職人として大成。今でも厨房にて研究を重ねつつ現場にも立ち、なおかつコンサルティング業にも乗り出してラーメン店の経営支援を行うという八面六臂の活躍を見せる凄腕キャラである。
して、それがまた見事に似合う。いかにもやり手経営者感が十分だ。が、少々洗練され過ぎているせいか、厨房姿はややルックスにそぐわないのでは。

 *掘っ立て小屋店舗から起業*

 *究極の「薄口醬油らーめん」*

 *いや、意外と似合うか?*

それでも、抜け目のない営業センスの持ち主で一筋縄でいかない手練れの経営者。ぽっと出の新入社員黒島など自在に手玉に取るなど朝飯前。そんなできる女を嬉々として演じる姿は清々しい。


ちなみに、原作漫画の芹沢はスキンヘッドの男性だ。


ベテランの域に達した余裕のなせるわざなのか、主役の座をほぼ黒島に持っていかれた感もあるが、なかなかどうして存在感は抜群だ。


そんな彼女の前に立ちふさがるのが高畑淳子演じる日本料理界の大御所・橋爪ようこである。アンチラーメン派の急先鋒だ。しかも、汐見ゆとりの実母ではないか。この二人の笑顔での慇懃無礼な応酬は見ものである。


だが、さすが高畑。ここはどうしても彼女の芝居が一枚も二枚も上手であった。鈴木のさらなる精進を期待する。


彼女らの周囲を固めるのが、マジで好い役者に成長した杉本哲太、個性派・前野朋哉、イケメン枠・小関裕太、食の番組が似合う男・石塚英彦ら。

 *黒島・高橋コンビの表情がgood*

 

オープニングテーマをLOVE PSYCHEDELICOが担当。これがなぜか妙にマッチするのが面白い。もちろん楽曲自体も独特の歌唱に伴う個性抜群の出来栄えで◎

 *OPテーマ曲「Swingin'」*

 

前回の『病院の治しかた~ドクター有原の挑戦~』もついつい全話見続けてしまったが、この「ドラマBiz」という番組枠はちょっと侮れないところがあるね。

 *ゲスト:石黒賢と*
本日も最後までお読み下さりありがとうございました。

*高橋の妖艶さが浮きまくる画www*