【告知】
ロロ・ピアーナ社製コート用ビキューナ生地
お譲りします
【商品情報】
素 材:ビキューナ
製造元:ロロ・ピアーナ
仕入元:吉忠株式会社
サイズ:1.5m×2.6m(別途裏地あり)
店頭価格:3,800,000円
※お値段に関しては交渉の余地あり
*裏地*
アクセスはこちらから。電話かメールにて弊事務所まで。
→ロロ・ピアーナ社製コート用ビキューナ生地問い合わせ
============================
こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。
去る8/19、米国俳優ピーター・フォンダが逝った。
ピーター・フォンダと聞けば、真っ先に思い浮かべるのは『イージー・ライダー』(‘69)ではなかろうか。でも、ここはあへてこんなフィルムで彼を偲んでみたい。
『ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー』 Dirty Mary ,Crazy Larry (‘74) 93分
梗概
ストックカーレーサーのラリー(ピーター・フォンダ)とメカニックのディーク(アダム・ローク)は、レーシングカーの購入資金を捻出すべくスーパーマーケットから現金を奪う。用意したシボレー・インパラを駆って逃亡を図るが、ラリーについてきたメリー(スーザン・ジョージ)も加え三人が警察の追跡をかわしつつカーチェイスを演じることになる。途中でダッヂ・チャジャーに乗り代えて、パトカーもヘリコプターも振り切って地元警察の管轄外に到達したが…。
ピーター・フォンダ。ご存知の通り、ヘンリー・フォンダを父親とする俳優一家に生まれ、姉のジェーン、娘のブリジットも女優である。
*ピーターのお嬢さんブリジット主演『アサシン 暗・殺・者』*
さて、彼を語るには冒頭で触れた『イージー・ライダー』を避けて通ることは不可。なので、ちょっとだけ言及しておこう。
監督デニス・ホッパー、脚本も彼とピーターが関わり、製作はピーターだ。
そんな具合に、製作陣と出演を兼務した若者たちがリリースした低予算映画が大ヒット。この日本でもアメリカン・ニューシネマの金字塔として周知されている。
*右)デニス・ホッパー*
このように衝撃的に華々しく若手俳優のトップに躍り出たが、あまりにも評価が大き過ぎたのか『イージー・ライダー』を超える作品に巡りあへず、その後B級映画への出演が多くなる。
もっとも聖林のビッグスター、ヘンリー・フォンダとの不和もあって、その反抗心からカウンター・カルチャーの渦中へと身を投じたとも考えられる。ゆへに、あへて親の七光りを嫌ってイバラの道を歩んだとも言へようか。
その結果、本作のような作品に主演することになったのでは。などと愚考する。実際はどうだったか知る由もないが。がが、マジで頑張ったのにぃ。といふことだったりしたら不運としか言いようがない。
で、『ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー』だ。尺もちょうど良い塩梅でさくっと観るにはお手頃。物語は『俺たちに明日はない』(‘67)を意識しているように思えなくもない。ニューシネマの寵児には相応しい映画かもしれぬ。
自ら志願して乗り込んできたスーザン・ジョージとピーターで“ボニーとクライド”だ。じゃあ、相方のディークはどうすんの?
スーザンはダスティン・ホフマンと共演の『わらの犬』(‘72)が一番知名度が高い作品か。目が大きくファニーフェイスである。虚言癖と窃盗癖のあるちょっと発達障害っぽい女性を巧く演じている。
ピーターの相棒に扮するアダム・ロークは、寡黙で無愛想だが実は好い男、ハンサムガイのジェントルマンといふキャラで、物語が進むにつれ徐々に好感度アップ。個人的な記憶では彼は本作でしか見掛けていない。
劇中ではそのディークのキャラ説明が巧い。
冒頭の人質をとったシークエンスで、なぜか室内のウィスキーのボトルをじっと見る。ああ、緊張しているんだろう。一杯飲りたいんだろうな。と思わせる。が、実は酒で失敗した過去が明らかになる。なるほど、バーで彼だけがコーラを註文した意味も判明。
当初、女性の同行を嫌って無愛想だったが、実は礼儀正しい人物であることが知れてくる。同時に、助手席に乗っていたメリーも彼をいけ好かないヤツと見ていたのが、後部座席の彼の隣に移ることで、女たらしのラリーよりも好い人、との好意を示す。ここは言葉の説明なしで巧く処理していて感心。
そして、人気TVシリーズ『コンバット』のサンダース軍曹役で知られるヴィック・モローが追跡する警察の司令塔だ。彼も反権力的はみ出し者である。
さて、ところが、カーチェイス・シーンは畳み掛けるようにあるのだが、期待したほどコーフン度のバロメーターが上がらない。一部、疾駆するクルマに取り付けたカメラの位置が地面近くの低さだと思われるショットが挟み込まれていて、そこは流石にスリル満点。ジェット・コースターのようにバウンドしつつの走行も、自分が上下するかのような錯覚すら覚えた。
とは言え、ドラマ全体がやや間延びした感じなのは否めない。尺を持たせるために休憩やらトラブルやらを盛り込んだようにすら思へるのは残念。
しかし、CGなしの本物志向のカーチェイスは金もかかったろうし、撮影の苦労も多かったろう。スタッフの働きには文句なしに頭が下がる。規模としてはかなり盛大なクラッシュが楽しめる。しかも警官や巻き込まれたドライバーたちが死なないところもよい。
エンディングはネタバレ無しにしておきたい。
実はその昔、このタイトルを目にし、“ダーティなメリーがクレイジーなラリーを展開するカーアクション映画”だろう。と、誤った理解を示した事実があったことを告白しておく。
さてさて、色々ネガティヴなことを書いたが、決してつまらないわけではない。むしろ面白い部類だろう。しかもアメリカン・ニューシネマ系のフィルムである。
が、製作年代的には、もはやニューシネマの季節は過ぎ去りつつあった。
となると本作は作風からして、時代の変遷に抗うかのように最後の光芒を放とうとするアメリカン・ニューシネマのメルクマールと見做せるのかもしれない。とも愚考した。
本日も最後までお付き合い下さりありがとうございました。
監督:ジョン・ハフ
『小さな目撃者』『ヘルハウス』『呪われた森』
音楽:ジミー・ハスケル
『メイク・アップ』『マイ・ライフ』『ガイアナ人民寺院の悲劇』
ピーター・フォンダ追悼記事
●ピーター・フォンダ追悼『ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー』