こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。
各TV局冬のドラマが終了。ちょっと振り返ってみた。
『海月姫』
『anone』同様視聴率が稼げずに沈んだ月9ドラマである。すずちゃんもダメなら芳根京子もダメなのか。
いや、能年玲奈(のん)の映画版も観客動員今ひとつだったんだから、制作サイドも万全とは予想していなかったはずだ。
しかも、非現実的な人物群でついていかれない。と感じる視聴者がいるだろうと容易に予測できたはずだし。
それをもってして芳根を戦犯扱いするとは言語道断。万死に値する。か?
さて、これまたキャストが凄い。腐っても月9。いや、別に腐っちゃいないけど。
では先ず作品のフォーマットを見てみよう。
すぐに『がんばれ!ベアーズ』(’76)や『ウォーターボーイズ』(’01)と同じ構造であることに気付くだろう。『シムソンズ』(’06)、『フレフレ少女』(’08)などもこの系列である。
“どシロートや下層的ポジションの人物群が団結して目標を達成すべく邁進し、結果はどうあれそれ以前とは違う自分になる”と言ふ成長譚だ。
もちろん個人に置き換え可で『イーグル・ジャンプ』(’16)などが相当する。
引きこもりのヲタク腐女子のうち、前髪で顔半分が隠されている二人は演者が判別不能。よくも引き受けたものだ。内田理央と松井玲奈なんだが。内田は濃いめの顔立ちで、ちょっと好い感じなのだがそれが見えないのが残念だった。
が、最後には二人ともファッションショーで顔出しして安堵した。内田など全くの別人のようである。言われなきゃ全然分からない。地雷映画『血まみれスケバン・チェーンソー』(’16)の彼女もいいぞ。
木南晴夏も超地味で、やはり前髪が鬱陶しいユーレイみたいなキャラだが一番安定していた。流石だ。
安定と言へば富山えり子もヲタク女子のまとめ役をそつなくこなした。
そこに関わる男性3名。
舞台でも活躍の瀬戸康史が女装男子として男子禁制のアパートに出入り。実家に戻れば好青年。二つの性差を越えての主演難役も全然オッケー。よくやったと感心す。
で、彼らの父親に北大路欣也。このたびは重厚にしてちょっとお茶目なキャラ。
工藤に「だったらひとつ頼まれてくれないか」と何気ない一言。全く何でもない場面の何でもない台詞なのにそのレベルが凄い。と驚嘆した。
何だろう、この違いは。経験値も含めて格の違いというものを見せつけられた気がした。
その運転手役はgonzalezが大好きな要潤。ちょいと奇人なキャラを無理なく演じた。納得の配役だ。
賀来賢人が昨年の『スーパーサラリーマン佐江内氏』と打って変わったドライでクールなキャラ。こっちも意外と似合っていた。
安達祐美までが奇人化していた。しかも違和感無し。『リピート』での研究者とは大違いだ。
同じく江口のりこが関西語でしゃべりまくる変なインド人を真顔で演じてあっけにとられた。彼女も『anone』の幸薄そうな影あるキャラとのギャップが凄い。
この二人、他局のドラマも兼務していたが役柄の振り幅がハンパ無くて素晴らしい。
泉里香が思わぬ拾いもの。なりふり構わぬ演技がツボだった。
彼女の相方役の安井順平が要潤と共にトリックスターを軽妙に演じる。『帝一の國~学生街の喫茶店~』ではお父さん役だったが本作では意外や若々しかった。
一昨年『黒い十人の女』でド迫力の芝居で一瞬にしてその場の全員を、いや視聴者までも震え上がらせた若村真由美が相変わらずの存在感。ほんのちょっとの出演ながらベテランの凄みを感じさせた。
最後になるが、やっぱり吉根京子のファニーフェイスは可愛いね。彼女の顔立ちは、それに似る者がいないだろうと思われるほど独特特有である。
のみならず、表情が豊かで見飽きない。その笑顔も色々で、殊に犬みたいに眉間と鼻の上にしわを寄せての破顔が最高にキュートだ。と思うのは自分だけか。
自らもってしてファニーフェイス好きを公言しているんだから異をたてられても別条ないが。
*ファニーフェイスですが何か?*
それにしても彼女、巧い女優だ。
とまあ若手俳優の見本市のように華やかかつ賑やかな祝祭的恋愛喜劇だった。
兎にも角にも奇人の館に謂集したヲタク女子とそのデフォルメされた芝居は好みが別れるところだろう。自分でさえも当初面喰ったし。最後まで違和感持ち続けたし。
ところで視聴率の話に戻るが、個人的にはかなり健闘したと思っている。
芳根の初主演作『表参道高校合唱部!』も低視聴率で伸び悩んだが、視聴者満足度は好成績で業界内でも評価された。小学生からお年寄りまでが楽しんだのである。
かように数字では計りしれない支持層も一定程度存在することはスタッフ、キャスト共に励みとなることだろう。
本日も最後までお読み下さりありがとうございました。
*天水館死守!*