こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。
『アメイジング・スパイダーマン2』がこの4月に公開された。シリーズ物として定着した感がある。
が、思い出して欲しい。70年代の『スパイダーマン』を。え?知らない物は思い出せないって?そらそうだ。覚えていない物は忘れることも出来ないしね。
『スパイダーマン』 The Amazing Spider-Man (‘77)
梗概
実験中に放射能を浴びた蜘蛛に咬まれた冴えない大学生ピーター・パーカー。突如壁をよじ登る特殊能力に開眼。バカ力も発揮。この才能を利用して、怪しげな自己啓発セミナーを主催する導師の悪行を阻止するのだ!
主役を演じるのは『サウンド・オブ・ミュージック』トラップ一家の長男役、ニコラス・ハモンド。
バイト先の新聞社編集長にTVシリーズ『奥様は魔女』ダーリンの同僚ラリー役、デヴィッド・ホワイト。
悪役には『ロッキー』リングアナウンサー役、セイヤー・デヴィッド。
等々小粒ながら中々の陣容。
*コロンボ似の刑事*
さて、気になるのは特撮。CG無き時代のアナログ式で懐かしいのだが、公開当時でも低レベル。同年『スターウォーズ』『未知との遭遇』が製作されていることを考えると…。
手先から糸を出すが、どう見てもロープにしか見えない。時にはウェッブを噴出させるものの綿ぼこりのようにふわふわだ。
*手先から・・・*
*う、動け・・・る?*
壁や天井を四つん這いで進むが、はいはいするそのまんまのスピード。でも戦闘シーンで壁や天井での自在な動きは一定の評価に値するのでは、と思わせる。やはりスピードと敏捷性は欠如しているが。
それよりところどころで笑えるシーンに出くわすのはお得だ。
手製のコスチュームを着て鏡の前に立つ。マスクを剥いで嬉しそうににやけるピーター。
*僕達は友人なんです(ウソ)*
*まずは脱衣しないとね*
手先から蜘蛛の糸を噴出させる器具を開発。ターザンのようにぶらさがって試すが、子供用フィールドアスレチックのようなしょぼさ。
竹刀で武装した三人組みとの戦闘では、遂に一人がヤケになったんだか竹刀を投げつけるのだ。竹刀ってのも笑えるが、いくらなんでも投げちゃまずいでしょ。
その直後、息を吹き返したヤツにむこうずねを払われて思わずうずくまる。痛い。
さらに続くアクションが切れの悪いアクロバティック戦法で、まるでコミカルなプロレスだ。自主製作映画の趣さえある。スローでゆる~い戦闘場面が後半一気に畳み掛けるように続く。
*行きがけの駄賃。踏みしめつつ去りぬ*
もっとスゴイのはタクシー乗車拒否事件だ。悪者に糸を焼かれ、ビルから転落しかけて負傷した。帰宅したいのに乗せてもらえず。やむなくゴミ収集車に無賃乗車の体たらく。
*いとあわれなり*
竹刀三人組が使用した火炎放射器は屋上に立てかけてあった。そんなところに放置しておいて別条ないんだろうか。
さて、悪者はマインドコントロールによりセミナー参加者に銀行強盗をさせている。これを利用して自殺に見せかけた殺人も可。
このアイディアは古くは『影なき狙撃者』('62)。ちょっと似たところで、催眠療法を使った殺人が刑事コロンボ『5時30分の目撃者』に登場。
ただし、本作ではバッヂを付けさせて謎の信号を送りコントロールを強化しているようだが。ピーターも危うくエンパイア・ステート・ビルから投身する危機に面した。
なんやかやと書き連ねたが、個人的にはおおむね好感を持てた一編だ。出会う機会もないだろうが、あれば千載一遇のチャンス。ご覧になれば現在のスパイダーマンとの比較も楽しめるだろう。
ちなみにチリ映画『ミラージュ』ってのがあるが(出来は本作よりも格段に素晴らしい)、この『スパイダーマン』へのオマージュ作品を思わせるところがある。気のせいかもしれないが。
*またまた出ました。カンガルーキック*
本日も最後までお付き合い下さりありがとうございました。
P.S 公開時は『溶解人間』と二本立て興行だったとのこと。一回行って二度おいしいバリューセットだったんだね。