『ある日どこかで』会いたいね | 徒然逍遥 ~電子版~

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こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。

 


小説も映画もタイムトラベル物は傑作や楽しいもの、切ないものなど数多あります。
古くはH・G・ウェルズ『タイム・マシン』。青少年向けの筒井康隆『時をかける少女』や昨年読んで涙したレベッカ・ステッド『きみに出会うとき』などなど。


きみに出会うとき

映画も『ターミネーター』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。ある意味『猿の惑星』も。『時をかける少女』は実写もアニメもあるし『戦国自衛隊』『サマータイムマシン・ブルース』なる珍作もあり。


バックトゥザフューチャーDVD

そんな中でも公開当時はほぼ黙殺されたものの今ではすっかりカルト的名作に数えられている作品があります。オフィシャルサイトまであるんですよ。
あの午前十時の映画祭でも上映されたほどの人気ぶりです。


しかも宝塚でも上演されたそうです。天海祐希主演で。


宝塚

『ある日どこかで』 Somewhere in Time ('80)


梗概
1972年大学で自作の脚本による舞台上演を果たしたリチャード・コリア(クリストファー・リ-ブ)の元に見知らぬ上品な老婆が近づき骨董品的懐中時計を渡し「Come back to me」と告げて立ち去る。
1980年脚本家となったリチャードは気分転換に外出。風光明媚な湖畔にあるグランド・ホテルに宿泊する。その史料室で見掛けた女優の写真に強く魅かれる。

老いたボーイに尋ねるとエリーズ・マッケナ(ジェーン・シーモア)なる女優で1912年に湖畔の劇場に出演したとのこと。
以来彼女のことが頭から離れない。街の図書館で調査し彼女のメイド宅に押し掛け情報を収集する。彼女は1912年その劇場の公演以来すっかり変わってしまったこと。さらに彼の哲学の担当教授の著書「時の流れを超えて」が愛読書であることをキャッチ。しかも1972年のあの日に亡くなっていたということも。
遂にタイムトラベルを試みるまでに至る。時間を超えて再会?を果たせるか。


いやあ。荒唐無稽も甚だしい設定です。が、そこはフィクションと割り切れば感慨深いラブストーリーに目頭が熱くなります。元はSF小説ですが。


彼女が彼が未来から来たことを知るのはラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」('34)を彼が口ずさんでいたことから判断したのでありませう。この曲が印象深く耳に残ります。

http://www.youtube.com/watch?v=4bFZS2WI5zo


それにしてもタイムパラドクスで不可思議なことも多々あります。
1910年(5歳)の時から当ホテルにいた(当時父親が受付業務担当だった)という老いたボーイが彼に「以前にお会いしましたか」と尋ねるシーンはそのまま過去に出会った事実を述べたまで。しかしまだ彼は過去に行っていないのに。
懐中時計は彼女がくれた物なのに過去に行って出会った時点で彼女は持っていなかったし。
彼が会ったことも無い彼女の吸引力に圧倒されるのは時を超えた運命的な絆なのか。
でもこんなのは問題ないね。ただその美しい物語に身をゆだねる。これが本作を鑑賞するあるべき姿なんでせうね。


ジェーン・シーモア *ボンドガールのJ・シーモア*
クリストファー・リーブ 
*マネージャー役クリストファー・プラマー*
クリストファー・プラマー *クリストファー・リーブ*

ジョン・バリーの音楽も美しい。1912年当時の衣装も素晴らしい出来栄え。アカデミー賞候補でした。撮影や照明も見事だし。理屈抜きで楽しみたい作品です。


ちなみに原作者のリチャード・マシスン『激突!』『ヘルハウス』などの原作者でもあります。そして劇中の一コマに出演していてセリフも一言ありました。


ある日どこかで

Somewhere in Time
監督;ヤノット・シュワルツ
『ジョーズ2』『スーパーガール』『サンタクロース』
脚本;リチャード・マシスン
音楽;ジョン・バリー
『007』シリーズ『野生のエルザ』『ダンス・ウィズ・ウルブス』(両作品ともアカデミー賞)