ＴＴ

ビールの世界で言うと、キリンビールが吉野家のような感じがしますね。そこに、すき家がアサヒビールと同じような感じで殴りこんでくる…みたいな。何が違うかと言うと、キリンビールはやはり昔のラガーの味を忘れられずに変えられなかった。ビールは苦いものでは、というキリンに対して、それは関係ない、と思い切って変えていったアサヒが伸びていったのと同じように牛丼とうな丼を一緒に食べられるようにした、すき家がわたしには同じように見えてならないです。

いずれにしても、キリンビールと同じで吉野家ブランドのレベルが高すぎて、これを壊さないでどうやってやるか、というところにしか考え方がいかないのかもしれません。上場もしていますし。
だから、上場はやめて必要のない会社は売って、身軽になって好きなことをやればいいのでは、とも思ってしまいますけれど。

ＳＫ

では、上場は廃止の方向ですね。

ＴＴ

ＭＢＯして、ですね。

ＣＴ

わたしは実務の世界はあまり良くわからないですが、Ｍ＆Ａは格好よく聞こえるかもしれませんが、買われたほうはめちゃくちゃらしいです。言葉は極端ですが、人格の崩壊というか、人間性がゆがんでいるというか。

ＳＫ

とくに飲食の場合だと、人が要なのにバラバラだったら価値がないということになりますね。

ＴＴ

飲食のブランドなんて、ほとんど「人」ですからね。

ＣＴ

以前に話を聞いた人を扱うエキスパートの方でも、Ｍ＆Ａは大変だと言うのを聞くと、Ｍ＆Ａで時間と立地を買うんだという机上の論理も実務の中では相当な労力を要するんだという気がしますね。

ＴＴ

10年前までは(Ｍ＆Ａで)時間と場所を買う、と言っていましたが、現在では場所は山ほどありますしね。

ＳＫ

ＤＤは明確に、時間と場所を買うと言っていますよね。徹底的にＭ＆Ａ対象会社に乗り込んでいって、リストラではないですが人員もシステムも現場主義で変えていきますよね。そのパワーはすごいです。

ＣＴ

そういう話を聞くと感動すると同時に、自分の仕事に立ち返ってみると改めてすごいところにいるなと思うわけです。

ＳＫ

コロワイドやゼンショーなんかもＭ＆Ａ戦略でのびましたからね。

ＴＴ

ゼンショーもココスの売上を下降から上昇に変えましたからね。

ＳＫ

コロワイドはちょっと厳しいですね。やはり現場主義なんでしょうかね。

あとは若さがないと難しいかもしれませんね。

ＴＴ

やはりそういう部分はＤＤは上手いですよね。

ＳＫ

でもＭ＆Ａ大時代は来るんでしょうか。

ＴＴ

もうだいぶ落ち着いたのではないでしょうか。売り手はたくさんいるけど、買い手がなかなかいないですよね。

⑤へ続く…

第10回 次世代外食研究会④

第10回　次世代外食研究会④