道からじいちゃんの軍歴証明書の返事が来た。

 

 

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ご照会をいただきました○○ ○○様の兵籍を調査したところ、
当課には保管されていませんでしたので、その旨お知らせします。

なお、旧陸軍の兵籍簿は除隊時の本籍がある都道府県で保管して
いますが、全てが保存されているとは限りませんので、申し添えます。

また、海軍兵籍簿は、厚生労働省が保管しているため、連絡先をお知
らせします。

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正直、申請する際に必要なものを揃えさえしていれば、確実に知ることが出来ると信じていたからショックだった。
頭のしっかりしているおば(母の妹)にも再度確認したが、確かに陸軍として徴兵されていたという。兵隊さんだったのは私が幼いころから、おじおばが揃えば話の弾みで出ていて急ごしらえの話ではないのは確か。う~ん滝汗
一部、戦後のどさくさで紛失していることもあるそうだが、また少数派に入ってしまったのか。

そんな時、東北の連絡が付いたあの身内さんから電話が来た。(祖父の兄の孫)
あれこれ話をするうち、私は
「祖父の軍歴証明書を道に請求しようとしたけど、事前調査で該当なしって返事が来てしまってチーン。」
ともっとも辿りたかったことが出来なくなったことを伝えた。
すると想像もしなかった返事が。
「あ、ウチのおじいちゃんの時もとても大変だったわ。証明できないってスタートで。」
「証明できない?滝汗」
「簡単に証明できなくて大変だったの。おじいちゃん、軍の…平たく言えばスパイ活動みたいなことをしていたとかで、色々な手続きが必要になって動いたら、“普通に”徴兵されていた方々は“普通に”それを証明できたけれど、“普通じゃなかった”ウチのおじいちゃんの場合は、該当なしとか記録が無いとかで大変だったって。その時は本人が生きていたから、詳細を伝えてどうにか出来たけど…
でね、うちのおじいちゃんが先にスパイとかで徴兵されていたし、その弟ならそこそこ身元確認も出来ていたから、もしかしたらあなたのおじいさんもスパイの様なことをされていたかも。そうだとしたら、昭和43年に亡くなった方の軍歴証明書を請求するのはかなり難しいかも。」


いきなり飛び出た「スパイ」のワードに、大袈裟ではなく本当に身体が固まった。ゲッソリ
小説やテレビの世界ならベタな展開なんだろうけど、田舎に住んでいた私のじいちゃんじゃないか。泣
確かにいい所のボンボンで生まれて、相応の教育も受けていたそうだし、身内の思想やら様々なことを調査され問題なしと兄さんがスパイとして徴兵されたなら、うちのじいちゃんも調査もある程度はショートカット出来るもんなぁ。
(スパイの言葉は語弊があるかも知れません。私は身内の者が、その言葉を使ったので私も何の抵抗もなく使っているだけで、この辺の表記表現が不正確かも知れませんので、読み手の方はどうかご了承ください)
でも、どうして私が関わると、こうも斜め上に事が進むんだよっ!笑い泣き

以前、他のことを調べていた際に、同じような状況だったことを綴られた手記を読んだことがある。その方曰く、その人がその様な役割を担っていたこと自体、隠蔽しなければならず、その方の手元にある軍歴証明書には全く覚えのない戦地へ行っていたり、任務に就いていた嘘八百が延々と書かれていたと。この方は東北の身内さんの様に本人が請求したから手に出来たのであり、私のような立場(昭和43年に亡くなった祖父の軍歴証明書を手に入れる)では、百歩譲ってじいちゃんが生きていたとしても、窓口自体、それを聴きとって対応できる者がいないから無理なんだろうなと悟り一気に脱力した。

一体、何処で何をしていたんだよ、じいちゃん!チーン