9日火曜のこと。

このブログにもupしたけれど、自転車で中島公園まで走った。

風が強く、川沿いに走っていた自分は何度も風圧で転びそうになった。

で、公園に着いてポケモンやって桜を撮影してと。

実は、ここから先に起きたことを私はブログにはupしてはいなかった。

 

 

帰り、私は幌平橋を渡り来たルートを辿ろうとしていた。橋の上でポケモンをしていたのだけれど……

橋の上から川を見る。雪解け水で増水した川は水量も音も増していて、強い風を受けながら橋の上に立っているのは何だか怖いくらいだった。(地元の人しかわからないと思うけれど)幌平橋の上から36号線方向を見ていたのだが、ふと視界の先に白いものが見える。人型をした全身真っ白な「人間のようなもの」が、流れのはやい川の中に立っている。私はハンドルを掴んだまま、不思議な気持ちでその白い物をじっと見つめた。

 

それは川の流れを気にすることもなく、立ち続けていた。頭も方も両腕もその存在は私の目にもわかる。でも、何故なのか、顔も髪の毛も他のものはわからない。

少し前にこの川で消防や警察が救助訓練をしたので、その時の何かが残っていたのかとも考えたが、過去にそんな事はなかった。

「だったら、やっぱ人間!?」

人間だったら、流される寸前だし事件だ。私は内心、焦り出した。

しかし、河畔には様々な人が行きかっていたが、誰もそれを気にすることなく通り過ぎていた。気付きそうなくらい近くにいた者もいたが、みんながそれを気にする様子がなかったのだ。でも、私の目には確かに真っ白な人型が流れの中に佇んでいるのが見えてしまう。

確実に見えていて恐怖を感じる私。でも、周囲にいる人はそれが見えずに笑って騒いでいる。そのギャップが恐怖を何倍にも増幅させる。もう、稲川淳二の語り何ていらない。恐怖ってのは言葉が無くても、誰かと共感しなくとも成立する。

 

 

背筋に悪寒が走る。

何だか見てはいけないものを見てしまったような気がした。

携帯で撮影することも、時間が掛かってもそこへ降りて確認しに行くことも出来たが、私はそれ以上、それを視界に捉えることを止めて、一気にペダルを踏み込んだ。自転車は私の意を汲み取るかのように、ぐんと加速をつけてすぐさま、その場から離れた。

 

何かを見間違えたのだろうと思って、亭主にも娘にも誰にも私はそれを言わなかった。口を噤んだまま、翌日から私は強烈な腹痛と39度を超える発熱で倒れた。こんなに酷い腸炎は何年もなかった。私は熱に浮かされながら、腹痛でのたうち回っていた。のたうち回りながら、テレビのニュースで、私が見た川で白骨遺体が発見されたとキャスターがニュース原稿を読み上げる声が、一方的に耳に刺さり込んで来た。遺体は私が見た白い人の場所から少し下流の中州にあったという。

 

豊平川 中州に一部白骨化遺体 服装から女性か 札幌市

 

たぶん、気のせい。きっと気のせい。

誰かが亡くなったのは本当だけど。

白骨が見つかったのも本当だけど。

 

 

今もまだ、体調が戻らない。

そんな中、連休、休めず代休をもらった亭主と出かけたら、道に迷って気付けば札幌で屈指の心霊スポットと言われる平和の滝の駐車場へ着いてしまった。

トイレで自殺したとか、事件があったとか色々と言われているけれど、私はここへ来ても何も感じないし気にもならない。ただ……

上矢印これは「平和の滝駐車場注意事項」を記した看板なのだが、文字にカッティングシートを使っていて、劣化で剥がれて来てこんな感じなのよ。

もう、ウワサだけの実体のないお化けよりも、このバラバラと落ちこぼれそうな文字の方が私は1000倍、怖かったしチビリそうになった。

 

この滝は修験者が水に打たれて修行する場。心霊云々よりも、荘厳な感じがした。

 

 

胃腸がトラブルと駆け込む、掛かりつけの病院で点滴を受けた。

点滴を受けてる間、彼はいつも私を見下ろしている。

そう、彼は純一。点滴を受ける私を純一はいつも指をさして微笑む。「弱っている私に、お前はどSかよっ!」って思う。