突然ですが……
とりとめのない話なので今回も義理の「いいね」はご辞退致します。
着いてこられる話題になったら、またよろしくお願いしますね。
で、先日のブログこコメント欄で盛り上がってしまったプロレスや細腕繁盛記などの昔ばなし。何だか昔ばなしが楽しくなってしまってもう、思いついたまま書き連ねてみる。
小学生、3年か4年だったと思う。TBSで異色の時代劇があって、これが今もずっと胸に残っている。若林豪主演の『快刀乱麻』。大人の事情なのか、いつの間にか『新十郎捕物帖・快刀乱麻』になっていた。
それまで私はジャイアント・ロボ主役の金子光伸君大好き小学生だったが、快刀乱麻との出会いから好みは若林豪へシフト。以来4歳年下の亭主と出会うまで無類のおじさん好きになってしまった恐るべき番組だった。
ちょっと横道にそれるけれど、金子光伸君は(と、言っても私より年上なんだが)実は39歳で亡くなられている。私がそれを知ったのは数年前だったけれど、ショックでしばらく立ち直れなかった……
仮面ライダーシリーズのスカイライダーでの主役を東映プロデューサーの平山さんから打診されたけれど、もうその頃には芸能界を去っていたので断ったとも知った。もしも、彼がスカイライダーに主役として出演していたならば、私はライダーシリーズの大ファンになっていたと思う。何より、彼の運命も変わって事故死することもなかったのではないのかと今も考えてしまう。
話を戻さなきゃ。
快刀乱麻の内容、興味のある方はリンクで見てください。今のものに例えるならば『明治時代のコナン』だろうか。あまり詳細は覚えていないけれど、流れはこんな感じだったと思う。
1)事件が起きる
2)若林豪演じる結城新十郎が、何故か巻き込まれて(頼まれてか)推理していく
3)池部良と植木等も推理に参加するが、これが絶望的な程に犯人に行きつかない。
コナンがいたら「バーロー!」と罵倒されているだろう。
4)番組の佳境(謎解き中。コナンで言えば、毛利のおっちゃんが麻酔薬を打たれてペラペラ喋っている頃)に新十郎の説明に合わせて出演者が動きを止める。VTRを止めるんじゃなくて、出演者が一斉に動きを止める。見ていると、プルプル震えている人も見えた。
視聴率はあまり思わしくなかったそう。でも、この番組の挑戦的意欲は素晴らしかったと思う。今のバラエティや推理ドラマなど、この番組が無ければ屋台骨が出来ていなくてつまらないものになっていたとも、私は贔屓目に勝手に思う。
タイトルは忘れたけれど、
♪少女ひとり 白い馬に乗って 駆けて来る 霧の朝♪
って今も口ずさんでいる。この主題歌も明治時代の推理ドラマに(当時は)あるまじきだったけど、だからこそ心に今も残ったと思う。
最終回、若林豪の背中に彫り物を見た気がする。我慢の限界を超えて人を殺めて、推理ではライバル?関係だった池部良が若林を逃がしたと朧げに記憶はある。最後の最後まで語りは絶品だった。あぁ、ダメだ。キリがない。
あと、プロレス話をもう少しだけ。
ミル・マスカラス登場と共に会場に鳴り響いた『スカイ・ハイ』。今聞いても背中に快感がせりあがって来る。ドス・カラスって弟もいたと思う。大きな試合があって(タイトル名はわからないけど)その時のメンバーが豪華だった。ミル・ドス兄弟にハンセンにジェットシン、上田馬之助にブロディもいた。でも、途中からアル中の母親が暴れ出して、試合結果がどうなったのかは今も私は知らない。私の中では毒母の酒による反則勝ちでしかない。
ある年の年末。
新日をみていたら突然、たけし、ダンカン、タカが登場してビッグバン・ベイダーVS猪木と試合が始まった時は驚いて、大食らいの私の箸が完全に止まって、飯が中断した。この三人がリング上で新日を挑発し続けて猪木をリングに上げて、ベイダーと試合が始まったけれど猪木はあっけなく負けた。
プロレスの専門家やコアなファンは様々な見解を出していたが、私のような「猪木が勝てばそれでよし」的な平たく浅い新日ファンには、まさに巨大な黒船がやってきて一撃で倒幕したかのように見えた。
その後『欽どこ』で初代タイガーマスクがゲストに出て、番組内でマスクを脱いで素顔を晒したのを見て驚き、この時は既に晩飯を終えていたが、何だか見ていた自分が興奮してお茶をバカスカ飲んでトイレに何度も駈け込んで眠れなかった記憶はある。
深い知識なんてなかったけれど、プロレスの大方のファンがそうだったはずの時代だった。寡黙で滅多に口を開かない叔父が、プロレスの試合時間になると人が変わったかのように目を血走らせ、試合開始から終わりには、正座したままテレビに2メートルほど興奮して移動していた。主催者の意向とか裏側、本音なんて無粋な物を見ようとも知ろうとも思わなかった。鍛えられた男が、更に身体を鍛え挑戦者を完膚なきまで叩きのめす展開が爽快だったのだと今なら素直に思えた。
テレビやあらゆるものが面白くなくなり、冷めた目で見るようになったのは、みんなが「真相の裏側を知ったきになり、総評論家になってしまったがゆえ」も一因にあると思っている。
テレビと言うのはあくまで開発された当時は「受信機」としてであった。
こちら側の人間は実にお行儀良くて、そこから流れ出る映像や言葉に疑問を持つことはなかった。寧ろ、そこで言われたことが真実であり、事実の証明にもなった。
受け取る側が利口になったら、そこに今までの『テレビ・視聴者』との関係は維持できなくなった。
たかがテレビだけど、奥が深いと思う。
内容はないけれど、書きたくなったので……