明日は娘の学祭があって、今週も整形外科受診は土曜から金曜に変更。

娘の学校では学祭でうちわを売る。売り上げは学校や様々な所への寄付となる。

1枚50円の生徒考案のイラスト入りうちわを2枚買った娘から1枚を取り上げて、病院から戻って勝手にカスタマイズした。

当然のように娘に盗られた。来年からもっと力を入れようと密かに心に誓った。

しかし、私のような者がいるから、専業主婦は暇なんだねなんて言われるんだろうな。きっちり頑張っている女性も多いですから。と、念のため……(保険を掛ける)

 

骨折した右足を庇いながら先週はずっと通院しまくっていた訳で、昨日の時点で曲げ伸ばしできないくらいに右膝が腫れ上がり、トイレに行くのも困難になってしもた。

膝の水を抜けば楽になるとは思っていたけど、いやぁ~、出るわ出るわ。パチンコだったら中古車買えるくらいの大騒ぎのレベル。(パチンコやったことないケド)

もこみち愛用のオリーブオイルの色の液体が注射器のでかいやつ1.5本分。

事前に撮影していたレントゲン見ながら

「脊髄じゃないから、造影剤いいよね?」

と、言われて、検査が必要なんだと悟った。

「あっ、自分また、ややこしいことになってるな」って思った。

(けど、落ち込む訳でもない)

 

何がややこしいって、森の中で仕事中に誤って沼に斧を落としてしまって、途方に暮れていたら金や銀の斧を手にした姉ちゃんが

「あなたの落とした斧は、金ですか?それとも銀ですか?」

って、仕事せにゃならんのに、悠長に微笑んでくれるぐらいややこしい。

今日、娘に

「その時、沼から姉ちゃんが現れて、あなたが落としたのは金の斧ですか?それとも銀の斧?それとも素敵な声の小野Dですか?」

って聴かれたらどうすると言うと即答で「小野D!!」と。

私なら「それとも小野Dとやたら仲のいい神谷さんですか?」って付け加えるな。

 

まぁ、声優談義はいいや。

そうそう、膝よ、膝!結局、来週、MRI検査を入れられた。この3か月ほどでどんだけレントゲンやCT、MRI検査してんだろう、自分。この検査がなければ、毎日、食後のデザートは店長のアイス食べられるんだろうなとか、宮内庁御用達の米とか食べられるんだろうなって思ってしまった。

何だか運動神経のいいカエル並に話が飛躍してるついでに、放射線談義を。

 

日本人って放射能・放射線被爆=巨大化って図式が好きみたいだ。ゴジラが始まりなのかな?25歳くらいの時だったんだけど、掛かりつけの病院があって、内科・整形・外科とあって、どこもまんべんなく掛かっていた。で、ある日、整形の医師が看護師に私の過去のレントゲン写真を持って来るように指示をした。医師は待つ間、新たにレントゲン撮影をして、過去のものと比べようとしたんだ。で、30分くらいして診察室に呼ばれて入ったら、看護師と医師がすげー困った顔してるの、手押し車に山に積まれた私のレントゲン写真を前にして。(実話)

内科も整形も外科も全部シャッフルされているんで、「恐ろし山」から私の過去のものを探そうと一応は医師も看護師も努力したけど、結局は諦めた。その時、医療に必要とは言え、こんなに被爆して何でもないってのはないよなって心の中で思ったわ。ゴジラの始まりが事実ならば、私もかなり巨大化するのかなって山を見ながら思った。まぁ、亭主よりもかなり巨大化しているってのは事実だけど。その巨大化を身を持って知ったのは、今日診察を受けた整形のすぐそばにある某コンビニで17年くらい前に起きたことだった。

 

このコンビニの近くに私は過去、亭主と共に住んでいた。まだ子どももいなくて、二人で好き勝手に暮らしていた。毎年、夏になると開け放たれた窓から、大相撲の太鼓の音が聞こえてくる。コンビニの近くには夏になると大相撲の北海道巡業がやって来て賑わう。男祭り・はだか祭の太鼓の音に私は心が騒いだ。このコンビニのオーナーが銭湯を経営もしていて、力士たちはこの銭湯も利用するし、コンビニも利用していたらしい。巡業何日目かに私はこのコンビニへ出かけた。コンビニ支払いを利用してついでにお菓子を買っていた。久々だったのでかごはすぐにお菓子でいっぱいになった。背を丸めさらにポテトチップを選んでいた時だった。私は突然、背中に恐ろしいほど力のある張り手を喰らった。呼吸は停止した、ほんとに。ああいう時ってすぐには振り向けないんだな。痛みと、急な攻撃と、何が起きているのか把握しようと神経がすべて乏しい脳に行ってしまって、振り返ることができなかった。その時、背後から荒げたじじいの罵声が飛んできた。

「お前なぁ、こんな所で買い食いしてるから、負けるんだよっ!!!」

 

短めにしていた髪の毛を伸ばし始めていた。やっとゴムでポニーテールに近い縛りが出来るようになっていた。白い無地のTシャツに、その儚いポニーテールもどきの後姿に、どうやら昨日、贔屓にしていた力士が負けてしまいじじいはかなり腹が立っていたらしい。そうだ、私は力士に間違えられていたのだ。やっと振り返り次第に状況を把握した私。私の顔を見て取りあえず女だと理解して青とも白とも言えない顔色をするじじい。周囲の関係ない客複数もこちらをみている。まるで「ハブVSマングースの戦い」を見るかのように。

 

「アンタと今、四つに組んでもアタシ、負ける気がしないわ」

 

そう言うとじじいは慌てて視界から消え去った。

その後、私はそのじじいを心の中で何十回も土俵外へ豪快に投げ飛ばし続けた。

無礼を働かれ、キレて吉良をやっちまった浅野の殿様の気持ちが痛いほどわかった。そうだよな、じじいのノーブレーキの無礼ほど酷いものはない。

もしも、あの時、私が帯刀を許されていたら、きっとひと思いに切らず、死なない程度にネチネチと何度も何度もじじいを刺しまくっていたと思う。引っ越しに活躍する空気の入ったプチプチを一つづつ確実に潰すように。浅野の殿様も刀さえ持っていなければ、私のように腹が立っても我慢できたと思う。今も私は心の中であのじじいを勝手に「吉良」と呼んでいる。

 

放射能・放射線で人はただちに巨大化はしないけれど、コンビニ菓子を無造作に食べ続ければ巨大化するのだと、いい年をした私の夏休みの自由研究は結論を出した。