You Tube貼ってみた。彼の演奏が好きでよく聴いている。バスリコーダーは憧れている。リサイクルショップで(高額だったが)見つけてしばらくショーケースから眺めていた。一カ月分の食費を軽く超える金額で、おかげで諦めることができた。数か月後、その話を亭主にしたら亭主もそれが気になって見ていたという。店に行ったけれど、既にバスリコーダーは消えていた。リコーダーといえばこんなことを思いだす。

 

 小学校の頃は先生が率先してイジメの対象になっていて、無視されるか怒られるかの二択の日々だった。毒母が毒父に黒電話の受話器で殴られ(毒父の浮気が元で)家中流血で騒ぎになったりで家の事情で学校に行けない日も多々あった。もちろん、勉強は遅れる訳でたまに学校に行っても「何がわからないのかがわからない」状況だった。音楽ではリコーダーもあったが、わからない私は左右逆の手で穴を押さえて演奏していた。人は私のことなど気にしないし、私も気にはしない。自分は間違えた状況で中学卒業まで右手を上にして穴を押さえて演奏していた。 高校になって音楽の先生が私の演奏を不思議そうに見ているのを感じた。先生に片思いをしていたので、見つめられると緊張するわ、変な汗が出るわで大変だった。幾度か授業を受けたある日、私は先生に呼ばれた。

 

「お前、リコーダーの手、逆だぞ」

 

 15歳の春、私は初めて誤った覚え方をしていることを知った。先生は最初、私がふざけているのか、もしくは反抗しているのかと悩んでいたそうだ。しかし、手は逆でもちゃんと間違えずに演奏は出来ていた。どうやら悪意はないと判断しての指摘となった。

 

「でも、間違えずに演奏出来たんだから……いいですよね?」

「だめだっ。次回のリコーダーのテストまでに手を直さないと音楽の単位はやらない」

 

 この先生、部活の顧問でもあったので私が練習している所に来ては「リコーダーのテストまであと○日」と、宇宙戦艦ヤマトのエンディングのようなことを言う。(部活は吹奏楽部で担当は打楽器)小学校3年から足掛け7年逆手で覚えたものを、私は必死になって正しい手で演奏しようと練習した。普通の人が「はい、じゃ反対の手で押さえて」って言うのと同じ違和感とやりにくさがある訳だけど、こんなことで単位が貰えないなんて悲しすぎるからとにかく練習しまくった。テストはパーフェクトだった。

 

 「正直、無理だと思ったけれど、よくやったな」 先生が笑いながら褒めてくれたのは、今も心に焼き付いている。そのせいで、私はリコーダーに関してはどちらの手でも演奏出来るようになった。 少し前に「新・巨人の星」ってアニメが放送されていて、左腕を再起不能にまで痛めてマウンドを降りた飛雄馬が実は右利きで、右のピッチャーとしてジャイアンツに復帰するって話だった。当時は「そう簡単に利き手が変えられるはず、ねぇだろう!」って思って冷笑しながらみていたけれど、テストを終えた自分は「あの一徹親父がいたのなら、そりゃやるしかねぇだろうな」と、冷笑から冷静に見られるようになった。私的にはあの話は「大いにアリ」だと思った。

 

 あ、「帯状疱疹を3時間で治した女 vol,2」は18日にupしてあります。私のブログとしては、「えっ?」っていうくらい問い合わせがあったんで驚いてます。あの日は他にもupしたから見逃されてしまったのかな?ただ、申し訳ないのですが、この話は「○○をして帯状疱疹を治した」とか「○○を飲んで帯状疱疹を治した」という話ではありません。どうも質問される方々が、藁をも掴む気持ちで待たれているようですが、他人に勧められる方法は書いてもいないし、今後、書く予定もないです。どうか、ご理解ください。(まいったなぁ……)

 

では、素敵な演奏をどうぞ