自分の小説の中で、ふたりが吹雪の中で神の御前で永遠を誓い合う場面があります。その時、教会では聖歌隊が『O Holy Night』を歌っていることを想像しながら、書き上げました。

“馬槽(うまぶね)に眠る御子は
 君の君 主の主なり
 我らの重荷を担い
 安きを賜(たま)うためにと
 来たれる神の子なり 「互いに愛せよ」と説き
 平和の道を教え
 すべてのくびきをこぼち
 自由を与え給う
 げに主こそ平和の君
 類(たぐい)なき愛の人”
(一部のみの日本語訳)

愛する人を護るために、何人もの人を殺めてしまった上司。自分をひたすら信じて生きていた部下は清らかなまま天に召されるけれど、自分は地獄の業火に焼かれ、この世で縁が途絶えれば永遠に会うことはないだろうと思います。最期に部下に嘘をつきました。「この世で命が絶えても、必ず会えるから」と。そう言って部下を見送りました。でも、彼らはその時、教会から聴こえていた聖歌の意味を知ることはありませんでした。

神は汝らの罪さえも背負われるでろうと

そのシーンを書いていた時に聴いていた曲

と、ひとりごとを。(笑)