かゆい、痛い、くすぐったい、一番辛いのは? ブログネタ:かゆい、痛い、くすぐったい、一番辛いのは?

一昨日、半年ぶりの大きな定期検査があった。出勤の亭主と一緒に家を出て街中で別れた。地下街を歩いていたら、キャッシュカードを拾ってしまった。予約時間よりかなり早く出てきていたので時間もあったので私はそのカードを手にして、病院とは反対側の中央警察署へ向かって歩きだした。よく拾いモノをするけど、今は出来る限り警察へ持ち込むことにしている。過去に某公園のボート乗り場のおじさんへ拾った財布(数万入り)や北海○銀行、南○7丁目支店(当時)でむき出しの5000円を拾って窓口に渡しても、拾ったこちらのことを聞かれたためしがない。おかしいよな、それって名乗り出る者がいなけりゃどうなるんだよ?つーか、しらばっくれられてもわからないしね。先日の生協はちゃんと警察に提出するからと、詳しく記入する書類を書かされたが、本来はあれが正しいんだろうね。で、届けて来た。


面倒なんで拾得者の権利は放棄。あれって「権利主張します」って言うと、落とし主が現れたらこちらの個人情報が行ってしまうんだよね。なんか、いやだよなって思って、これはいつも放棄する。この書類、娘も私も何度も何度も書いたなぁ。(苦笑)

で、書類作成の待ち時間、受け付けの婦警さんの許可をもらって撮影した。


病院に向っていると思っているであろう亭主に「今、警察にいる」とLINEでこの画像を送った。亭主からは「逮捕された?」って問い返しがあった。「特攻の拓(ぶっこみのたく)」で言えば「武丸」に相当する嫁が何かをしでかしたと思ったらしい。

やっと病院に到着。検査を終えて会計を待っていたが、指先が痛む。実は数日前まから怪我した部分が化膿し始めて皮膚も変色し始めていた。検査した病院は大きくてあらたに受診を申し込むと更に4時間は帰れそうになかったので、私は病院を出てスマホで徒歩圏内の病院を探した。雑居ビルにの中にひっそりとあったクリニックで診てもらったら
「抗生物質、5日分出しますから」
と、あっさり言われて終了した。痛いけど痛み止めはなし。まぁ、個人的に痛み止めはあるからいいか。しかし、痛みは次第に増してくる。歩くごとに指先に心臓を抱えているかのように、脈と共に痛みを感じる。途中でペットボトル飲料を買って指を冷やしながら歩いたが、顔は次第に険しくなっているのがわかる。ショーウィンドーに映ったわが尊顔は般若顔だった。

日が変わって昨日。痛みで寝不足からか、朝から目覚めは悪いし何となく調子も悪い。毒母がネコとじゃれて縫うくらいの怪我をしたので、家から近い病院に連れて行くことになって、ついでに自分も診てもらうことに。
「痛かったでしょう!膿んでここ白くなってるし、指は腫れて赤くなってるし」
事前に様子を見た看護師さんが言った。
「大丈夫、処置したら楽になりますから」
そう言いながら一度視界から消えた看護師さんが戻って来たその手には、機内販売で使うようなカートがあった。一点違うのは、機内販売はうまいものばかりだが、このカートには針やハサミ、メスにカミソリの刃や薬など嫌なラインナップが満載だったことだ。看護師さんの姿に脳内で「ダースベイダーの曲」が鳴り響いた気がした。

診察室に入った医師も指先を見てすぐに「これは切開しないと」と言いながら、銀色の豆の形をした器みたいなものに、あれこれ置きだした。

腫れ上がった指先にブシブシと針を刺したり、切ったりして膿を絞り出す。普通にしていても軽く触れただけで痛かったのに、そこを絞る。

今までもかなりの検査や手術に処置を受けたけど、自分の中ではこの痛みがそれらを押しどけ一気に上位三本の指に入るくらいに感じた。この時点で自分の指先が確実に腐っていたんだと実感した。指もすでにじゃんけんでパーしか出せない状況になっていた。(腫れて曲げられなかった)麻酔なんて無しで何度も指先に針を刺しては(爪の間も)膿を絞るを繰り返した。魂は身体から抜け出て、どこかに彷徨っていたと思う。処置を終えて医師は看護師さんに処置を任せて去った。看護師さんが明るく、今後幾日かの自分ですべき処置方法を口頭で伝えてはくれているが、だんだんその声が遠く聞こえて来はじめた。冷汗が一気に流れ出て目の前が真っ暗か真っ白になって
「あの…説明はわかりやすいんですが、何だか…私の、あたま、がよく…理解できない、あれ?」
この奇妙な言動に看護師さんが私の顔を見たと同時に「あら、顔が真っ青っ!」と、声のトーンが変わった。私は処置に使ったベッドに寝かされ、だんだん口もきけなくなってきた。看護師さんが血圧を計ろうとするが「この血圧計、電池切れてるしぃ!」と財布を忘れた陽気なサザエさんのような口ぶりで叫んでる。手動の血圧計を持参して計るも血圧の下が何度やっても100を軽く超えるので、「やだー」と言ってる。「たまさん、顔が青から白になってますよ」って実況をしてくれるが、それを聞いてももう、自分で身体を動かすことも出来なくなっていた。医師が呼ばれて入ってきた。私の額に手を当てる。「身体、冷えてるね。冷汗も酷いし、顔も白いし。後ね、脈を計ろうとしているけれど脈、計れないんだ、弱すぎて」人間、正直は称賛されるのだろうが、時と場合は絶対にあると思った。今日に関しては嘘でも場が和む話をして欲しかった。(無理だろうが)救急車を呼ばれる寸前までの騒ぎになったが、結局、指先絞って倒れたなんて恥ずかしくて気力で起き上がって病院を脱出することが出来た。あの病院を出た時の気分ってきっと、脱出に成功した初代・引田天功も同じくらいの爽快さを味わったと思った。血圧、確かに若干高めだったが昨日の下が100から下がらないって聞いて今日も調子が良くない中、家事をちまちまやりながら自宅で測定したらこんな数値が出ていた。何度やってもやっぱ100軽く超えてる。


過去のデータを見てもこんな数字ってないし、きっとここしばらく不調だったのは血圧だったのかも知れない。でも、血圧ってどれくらいまで上がったらマズイんだろう??

こんな騒ぎの中、指を処置してくれた医師が額に手を当てながら、あれこれ元気づけようとしてくれたのが嬉しかった。つーか、成人男性に額を触られたなんて、亭主を含めて何年もご無沙汰だったので、白い顔しながら心の中では
「そんなに優しくされたら、ホレてまうがなぁ!!」
って、私は人知れず愛を叫んでいた。

毒母が同伴だったので帰宅が許されたが、実はネコと闘い負けた毒母もまた重症で、手の甲がパックリと開いて骨と筋が見えていて何針か縫っていた。

医師の手が嬉しくて歯「がゆく」て、傷は「痛い」し、思いだしたら「くすぐったい」気持ちだ。今回に限り「痛い」が頭一つ抜きん出た。

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あと、本家のサイト経由で「海蛍」の感想をくださった姐さんへ。
有り難く感想・ご意見を読ませていただきました。この次はすぐに凌辱シーンに突入しますので、どうかご覚悟ください。ってまずは、血圧下げないとなぁ。