ブログネタ：ネットで知り合った異性にどれだったら教えても平気？
相手による。それ以外、言いようもないしなぁ。同性だって怖いのいるし、こればかりは異性・同性では括れない。でも、ネット始めて結構なるけれど、振り返れば色々とあったと思う。
雪が降る直前。この日、土曜日で亭主は休みだったが、私の通院があって娘を保育園に預けていた。この日の朝、ヤフオクで娘が欲しがったミッフィーの絵の靴下を落札して、出かけたついでに郵便局から入金することにしていた。滅多に来ないスーパーに来て駐車場に車を止めて、私は道路向こうの郵便局ATMへ、亭主はスーパー内の100均へと別れた。が、その直後に私は郵便局を目前に一時停止も徐行も怠った車に跳ね飛ばされた。（私は確認したが、トラックが駐車していて、その車が見事に死角になって見えていなかった）騒ぎに気付いた亭主は道路向こうから泣きそうな顔で走る車をよけながら、こちらへ向かって来る。運動神経ないに等しい男だと思っていたが、亭主は車のスキを縫うように片側二車線の道路を右に左にフットワーク軽くこちらへ来る。それを見た私は（ほんとに）思わず叫んだ。
「ばかっ！赤で渡って撥ねられたらお金貰えないじゃないかっ！！」
自分でも何でそんなことを叫んでしまったのか、今も謎である。私はたまたま車が途絶えた二車線道路に押し出されたが、履いていた靴は反対車線まで飛ばされていた。靭帯も切れていた。痛くて動けず私は救急車に載せられ病院へ向かった。亭主は半べそ状態で救急車の後を追いかけてきていた。（らしい）
亭主の九州出張も近く入院は出来ない。足を強力に固定して、首にはカラーを巻いて私と亭主は遅れる旨を伝えていた保育園に急いだ。朝、笑顔で自分を送り出した母親が暗くなった頃、包帯やら首にカラーを巻き、足も超合金ロボのような仕様になっていて、娘は驚いていたが、男の子たちは「おばちゃん、かっこいいなぁ」と概ね好評だった。娘に「かぁちゃん、かっこいいだろう？」と、聞くと回りの空気を読んだ娘は「う、うん」と首を縦に振った。娘は母が何らかの事情で最終形態へと変身したと信じ込んでいた。まぁ、そこからチワワ家を巻き込んで大変なことになったけれど、それはまた、違う日にでも。
で、時は過ぎ、私は松葉杖で何とか歩けるようになっていた。この松葉杖も今回の事故をきっかけにヤフオクで買ったもので以降、私はこの松葉杖を両手で数えても足りないくらいに怪我をして使うこととなったが、これもまた次回のお話ってことで。まぁ、松葉杖生活もやっと慣れて来た頃、ふっと事故当時のことを私は思い出した。
「私、何であんな場所で亭主と離れて事故にあったんだろう？？？」
晩飯を頬張りながら亭主はすぐさま答えた。
「ヤフオクで落札したものがあるって入金するって言ってたんじゃない？」
「……」
全身から血の気が引くのがわかる。そうだよ、私は入金に行ったんだよ。それでATM目前で撥ねられて郵便局じゃなくて病院に運ばれて……
ヤフオクで落札して数か月が経っていた。その間、松葉杖を落札したというのに、事故のショックで私はミッフィーの靴下を落札した事実が見事なくらいに記憶から欠落していた。それまで雨を一つも降らせず取引し続けて来たというのに、なんてこったと頭を抱えた。恐る恐るヤフオクの評価を見るが、雨マークは付いてはいなかった。私は慌てて先方に謝罪のメールを送った。あり得ない言い訳と思われても仕方ないが、それでも事故にあって大けがをしてこの瞬間まで自分が落札したことを忘れていたと、正直にメールに認め謝った。数時間後、相手の方からお返事をいただいた。私から何の連絡も来なくなってしまったが、取引履歴を見たら悪い評価も無かったので、きっと何かトラブルでもあったのかと気長に待っていたと。文句どころか大層、怪我のことを気にかけてくださり、もうどうしていいのかがわからないくらいになった。
約束事を守らない時点で、理由はともあれ相手から誹りを受けても仕方ないのだろうと思う。「事情があって仕方ない」と言うのは、迷惑をこうむった相手側が厚意で言ってくれる言葉であり、約束を違えたものが言うべきものではないだろう。でも、私はネットでこの男性（初老の方だった）と知り合って、このような形で接してもらえて以降、自分の人生観が変わったのは確かだと思っている。いい人ばかりはいないのかも知れないけれど、悪い人ばかりでもないと実感させられた。
時は流れて……私は暇なときは2ちゃんに生息しているが、ある時、「様々な疑問に答える」という真面目なスレが立って、質問者・回答者が真剣に向かい合っているのをみて、自分も予てから胸に燻っていた疑問をそのスレで吐き出してみた。正直、あまりに漠然とし過ぎて回答は無理だと思ってさえいた。質問とは『昔、テレビなどで決定的瞬間などの特番で（特に日テレ）最後にまとめて画像放出する時にそれらの画像のBGMに使われているンチャンチャンチャンチャ…という曲のタイトルを知りたい』と書き込みをした。自分でももっと質問を明確に出来ないのかとも呆れたが、それ以外頭に浮かばず仕方なかった。10分もしないうちに私の書き込みにあるURLが貼られた。
Blade Runner
そう、これ！これこれこれっ！！小学校の頃からの疑問がネットで、それも見知らぬ人の善意で解決に導かれた。以降、私もその手のスレに遭遇したら、自分の知っている確かなことは、極力回答するようにしている。しかし、「ンチャンチャンチャンチャ…」でよくわかったものだと、今も思う。
何でもすぐに信じるのも危ないのだろうけれど、こんな楽しい出会いやいい思いをさせてくれるのがネットの力でもあると思う。