大人数に料理を振る舞うなら何を作る? ブログネタ:大人数に料理を振る舞うなら何を作る?

結婚して4年くらいだったかな。仲間家族でアマチュア無線の免許を取るのが流行った。
はじめは仲間内で騒いでいたけれど、次第に見知らぬ人と話す楽しさを覚え毎日、誰かと話をするようになった。そんなある日……
無線上で(その時すでにリアルで何度か会っていた人だったが)
「明日、お昼にカレーするから食べに来たらいいのに」
と声をかけたら(相手は40代の男性で運送業で市内を走り回っている人だった)
「あっ、ありがたいなぁ。行くよ、うん。で、○○さん(同じ無線仲間男性)も一緒にいいかな?」
と訊かれ、その人も知らない人ではなかったので、どうぞどうぞと返事をした。

さて、アマチュア無線では、ある段取りを踏めば他人の交信途中に割り入ることが許されるのだが、自分と相手の一対一で交信しているつもりでも実はその他者の交信をラジオを聴くように聞いている人が数百数千、場合によっては数万いると考えられていた。土曜の昼下がり、亭主も休みだしいつもより少し多めにカレーを作ろうと考えていたら(この日、金曜だった)無線に割り込んできた無線での友人が
「あっ、俺も食べたいな。いいかな?」と。
ダメとも言えず、
「いいよ、待ってるから」
と返事をしてマイクを置こうとすると「俺も」「オレも」となって気づけば30人くらいまでは把握したが、たぶんそれよりもっと来そうな雰囲気になった。夜、帰宅した亭主にそれを言うと昼に無線仲間がカレーを食べにくると理解して笑顔で「手伝うからね」と言ってくれたものの、その人数が30人をはるかに超えると聞いて亭主の目はまさに点になってしまった。
亭主は着替えると当時の石黒ホーマーへ大きなアルミ鍋を買いに出た。

数時間後、たぶん今回の騒動が済めば二度と使われることもないだろうと思える大きな鍋や肉や食材を買い込んで私たちは心身ともに疲弊しての帰宅となった。それからは寝ることも忘れ鶏ガラでダシを取り仕込みを開始した。痛快なりゆき夫婦の私たちの結婚生活は、こんなことは日常茶飯事でもあり、文句も言わずになんだかワクワクしながら鶏がらからダシをとったりした。
で、迎えた当日。私たちはある重大なことを忘れていた。そうだ、飯が絶対的に足りなかったのだ。どんなに頑張っても電気炊飯器で炊けるのは5合程度。それを最低、30人で分けるって……
地獄の釜のように沸き立つカレー鍋。あぁ、ヤバイよ、やばいよ。と、その時、無線で呼ばれそれに出ると
「○○ちゃん?今日は頑張ってね。うちの旦那も行くって言うんでよろしくお願いします。で、ご飯、足りないんじゃない?旦那に5合くらい炊き立て持たせるけど足りる?」
その交信を聞いていた無線免許持ちの奥様軍団が次々に割り込んでくる。
「あっ、私も用意していたんだわ。うちも5合でジャーで温め状態で持参するから」
「カレーだって足りないでしょう?うちはカレー提供するから」
「私と○○さんとこと合わせて10合もカウントしてね」
近隣に空き地があって、車はそこへ止めてもらった。(当時、地主さんが大らかで声をかければOKをもらえた)土曜の11時頃から午後4時近くまで最終的にわが家へは50人を超える友人知人(無線限定)がカレーを食べに来た。何年も声だけの付き合いだった同士が、我が家でカレーを食べながら「初めまして」とあいさつしている姿も何度も見ることとなった。私たちも初めてお会いした人が多くて、怒涛というより楽しいと表現の時間はあっという間に通り過ぎた。

今よりも健康でかなり無理の出来た頃のアホみたいな話。

で、今日の娘の弁当。
娘は中身を知らず持参した。作ってから
「今日は放送委員で放送室で曲流しながら、他の委員と食べるの」
と、言っていた。そうか、マイクオンにして絶叫するなよ。「オムライスから指、そして流血」って構図です。ネットで見つけてやってみた。



角度を変えるとちゃんと爪の部分も作って(彫って)あるんだけどね。
我が家は自閉症児の娘に容赦はしない。世の中、イレギュラーな出来事ばかりだし、それに耐えられないと生きていけないし。娘もだいぶ、打たれ強くなったと思う。


で、後でまたupします。セックスレス夫婦、意外な方向へ、そして結末。私も驚くやら脱力するやら……