ブログネタ：携帯持たないで外出たことある？
娘に障害があると、何時、何処で、どんな呼び出しがあるやも知れず、とりあえず持つ。
嫌な話題で鳴らないように祈りながら。
携帯って離れていてもメールや電話で会話ができるはずなのに、どうして一番身近な人の心にコールが届かないんだろうね。
久々に亡くなった恩師のことが出ているサイトを見た。寂しくて縋る思いで見た。私の前ではいつも紺のジャージ姿だったのに、画面の先生はスーツ姿で笑ってる。
先生は指揮者。だからタクトを手にした瞬間から、私には先生の顔を、目を見つめる大義名分ができるのが嬉しかった。かっこいいこと、偉そうなこと言っておきながら、自分が一番誰よりもあがり症で演奏が進むうちにだんだんスピードがupしてくる。（笑）
グランドピアノの上に先生のジャージが脱ぎ捨てられていたことがあった。誰もいなくて、思わずそれを手にして匂いを嗅いだ。今にして思えばそれは単なる加齢臭だったのかもしれないけれど、父親と離れて暮らしていた自分には加齢臭がわからず、ただただそれがいい香りに感じて抱きしめて匂いを嗅ぎ続けた。何だか泣けてきた。その匂いが嬉しくて切なくて。
先生が100km以上遠くの土地へ行くと知って、早く大人になって自分も先生なんか忘れるような恋をして家庭を持ってやるって主のいなくなった音楽室のピアノの前で勝手に誓った。
今井雅之さんが亡くなられて、元気だった生前から最後の会見までを何度も何度も垂れ流すのを見ていた。先生もガンで亡くなったんだよね？でも、ずっと教え子たちがそばにいて、先生は孤独なんてわからず死んだと思う。いや、孤独になることも許されなかったのか。泣きたい時もあったよね？不安だったり激痛でのたうち回ったり。でも、「先生」って呼ばれるとそれも許されなかったんだろうな。
もう一度、先生の指揮で演奏したいな。緊張で少しづつ早くなるタクトを目で追いつつ笑いをこらえながら。
先生、今ね、すごく辛いんだ。涙が止まらない。
夢でもいいから、幻覚でも幽霊でもいいから出てきて欲しい。
先生、もう死んでるんだもん。もう不倫じゃないよね。ってか、手も触れたことなかったし。（笑）
連れて行って。
転任先で私の好きな曲ばかり演奏してずるいじゃん。私だってもっとたくさん、教えて欲しかった。
コンクール曲、今でもiPodに入れていつも聴いているんだ。自分のパートで今も手が動くし。
今度会えたら絶対に「好き」って告白するんだから。
で、たくさん話を聴いてもらうんだ。先生、人の話を必ず真剣に聴いてくれたし、うざがったりしなかったし。
あれから何十年も経ったのに、言いたいことはなぜか同じなんだよね。
「先生ね、私、今ね。居場所がないんだ」