寝つけない夜、ある? ブログネタ:寝つけない夜、ある? 参加中

私はある 派!

まさに今、眠れなくて暗いリビングでひとり、こうしてPCに向かっている。20歳を超えた妖怪ネコ『げろぶー』は痴呆状態で昼夜問わず、雄叫びを上げる。頭の壊れたネコの相手をしているうちに夜は明けて弁当作りの時間である5時を迎え、半分眠りながら弁当を作り始める。

娘が小学生の頃、とにかく朝が苦手で中高で6年も弁当生活があると知って私はもうダメだと思った。すぐそばに小学校があって、私たちは油断して下手をすれば7時半過ぎまで寝ていることも多々あった。でも、娘が進学してから全ては一変した。徒歩、地下鉄・バスの登校に心配した亭主はしばらく早起きをして学校近くまで付き添った。変な男に付きまとわれていると思われてもなぁとも考えたが、亭主と娘は顔がそっくりで、更に辿ると源流はヨシエにあった。この三人、並べるとメンデルの法則を容易く説明できると私は思っている。近隣の小学校と塾や自宅の往復ばかりの娘がどうなるのかとハラハラしていたが、今では自閉症児の利点を大いに発揮して、市内の恐ろしい程の数のあるバス経路を把握し、今まで地下鉄沿線にしか住めなかった私たち夫婦は、娘が調べ教えてくれたバスを利用して市内を移動するまでになった。
我が家では当事者である娘に自らの障害のことを小さい頃から伝えている。将来、それを背負い生きにくい世の中を乗り越え行くのは娘本人だ。なのに、それを親が隠して、娘にどうしろというのだろうか?
「いいか。世の中には“障害”と言わずに“障碍”や“障がい”と書く人もいる。でも、自閉症ってものを背負って、それを害と思えるほど苦労するのはアンタなんだ。これからは差別も区別も受ける。漢字表記を変えたところで、人の意識や本質が変わらないと何の解決にもらなんのよ。だからお母さんはアンタに堂々と“障害”と言う。でも、今日までアンタは何事にもハンディを貰わず、みんなと闘ったり競ったりした。アンタがどれだけ努力をしたかを知っているから、同情ではなく、アンタの努力に敬意をもってみんなが接してくれていることに感謝しよう。誰にだって他人との間に害になるような爆弾は持っているもんだ。アンタのは確かに常人と言われる者よりは大きいし威力もあるのだろうけれど、それに耐えうるように私たちは育てているから」

娘の将来は全く見えない。将来、希望している大学に入ることが出来るのか。それとも、障害者の授産施設でクッキーやパンを焼いているのかも知れない。想像が付かないほどに良くも悪くも無限大の娘を思うと、正直言うと眠れないのもまた事実である。
ただ、どのような境遇化に置かれても、絶望したり、自分の努力不足が招いた不幸を他人のせいにして騒ぐ阿呆にはなって欲しくはないと願っている。

もしも、自閉症の人間ばかりの国や星があったとしたら、そこへ行った普通と呼ばれる私たちは異常なのだと責め立てられるに違いない。
でかい人間ばかりいる国に行けば、きっと私は幸せだと思う。目立たないから。
背の低い人間ばかりいる国に行けば安心できる人もいると思う。
頭髪の薄い人間ばかりの国なら、自分の頭も他人の頭も気にはならないだろうし、金のない国に行けば、金のないことに絶望して犯罪を犯したり、自ら命を立つ事もないだろう。時に、心がざわつく時に私は「生まれて来た時代や場所を間違えたのさ」と思い笑い飛ばすことにしている。
げっ、3時じゃん!!少し布団に入ろうかな。

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