ポップ 残りの人生が5分でも50年でも同じ、一瞬だけど閃光のように!それが俺達人間の生き方だ、よく目に刻んどけよ!この大魔王!


しがない労働者を何年続けてもしょうがない!(だからといってやけになるな43歳)


魔法剣士 俺は魔道の名門一族に生まれた長男だ。だが魔道の素質は素人レベル、才能がある弟と残念な兄貴だったよ。ケンカは強かったが王国騎士としては平凡、嫌気がさして流れもんになり、海賊の用心棒になり、副長に拾ってもらい今に至るってとこだな。

剣豪 才能があれば、ゼル殿は家督を継いで満足な人生でござるか?

魔法剣士 どうだか。魔術師として強くても、領主としての腕前は別だろう。頭よくねぇからお家取り潰しされてたかもな。

剣豪 拙者は童の頃から剣才はあった。師匠に拾われ、十には大人の弟子に圧勝でござった。

魔法剣士 そりゃすげぇな…

剣豪 職業剣闘士として勝ち続けても虚しくなり、傭兵になった。すぐに名を上げ、王侯貴族から仕官話が次々と来た。これが十五の頃か。

魔法剣士 すげぇな!俺は十五で王国騎士の登用試験に落ちて廃嫡されたぞ…

剣豪 大変でござるな。しかるにそれが人生の絶頂でござった。一番待遇のいい話を受けたら、王国への謀反で領主一族は処刑、拙者は投獄された。

魔法剣士 一気に落ちたな…

剣豪 刑期が終わる頃には三十路を過ぎていた。そこからは罪人ゆえ仕官話もなく、どこかに勤めるも続かず、山でひっそり暮らしていた。少年の頃に見下していた凡人にもなれなかった。才能だけの中身のない大人になってしまったでござるよ。団長に会わなければ、山でただ朽ち果てていたでござる。

魔法剣士 でもケンさんは偉いぜ!食い詰めて狼藉を働くでなく、世間に迷惑かけずに暮らしていたんだろ!俺は海賊だぜ。

剣豪 名はどうあれ、ゼル殿やお仲間の目は濁っておらぬ。そう卑下することはない。

魔法剣士 ありがとよ、あんたに会えて良かったぜ。

剣豪 拙者も同じでござる。

魔法剣士 最後まで副長最後の大作戦をやり遂げようぜ。俺達もゴッドハンドの使徒なんだかよ。

剣豪 うむ。